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2010/06/28 ITpro

 今年のゴールデンウィークは1年ぶりに四国へ帰省し、愛媛にある実家から徳島の那賀町という山峡(やまかい)の町にある温泉へ出かけた。同じ四国の中なのだが、クルマで4時間近くかかった。電車とバスを使うことも考えたが、電車だけで4時間半もかかると分かって断念した。実家から東京や大阪へ行くより時間がかかるのだ。交通網がいかに中央志向で作られているかが分かる。那賀町は山深いところだが那賀川に沿って国道195号線が整備され、立派な瓦屋根の民家や小さいながら新緑の中で白さが目立つきれいな中学校の校舎が豊かさを感じさせる町だった。

 さて、今回はネットワークの土台である回線の話をしたい。提案書や設計書でネットワーク構成図を描くとき、広域イーサネットならば雲の絵を書いてそこから直線を引き、その先にルーターやスイッチを表す箱を書く。回線は1本の直線に過ぎない。しかし、実際の回線はNTT東西やキャリア(通信事業者、NTT東西もキャリアだが本稿ではNTTコミュニケーションズやKDDIなどNTT東西以外をキャリアと表記する)のビルをいくつも経由し、多くの装置やケーブルで構成されている。

 1本の回線を開通させるのは直線をすっと引くように簡単ではなく、「物語」と呼びたくなるほど時間と手間がかかる。それがネットワーク構築プロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼすこともある。

回線の実体

 回線の実体を表したのが図1だ。図1は、キャリアがアクセス回線としてNTT東西からダークファイバーを借りて回線を提供する場合の構成を表す。ダークファイバーとは、NTT東西が敷設した光ファイバーで使用されていないもの(光が通ってないのでダーク)だ。それぞれの要素を説明する。

図1●「回線」の実体
[画像のクリックで拡大表示]

(1)木板(もくいた)
 取付板とも呼ぶ、ビルの所有者が用意する板。キャリアはこの板に後述のPTやPDを取り付ける。ビルの壁を保護するのが目的であり、この板がキャリアとビル所有者との分界点になる。

(2)PT(Premise Termination)盤
 NTT東西がユーザービルに引き込んだ多芯光ケーブルを終端し、仕分け配線やコネクタ成端などをするための収納ボックス。第1PD盤、PD盤と呼ばれることもある。

(3)ジョイントボックス(光ローゼット)
 ケーブル保護用の小型キャビネット。NTT東日本ではジョイントボックスと呼ばれ、キャリアが設置する。PT盤からジョイントボックスまでのケーブルがNTT東西の責任範囲であり、ジョイントボックスから回線終端装置までがキャリアの責任範囲だ。当然、工事もジョイントボックスの手前まではNTT東西が行い、ジョイントボックスから回線終端装置まではキャリアが行う。NTT西日本では光ローゼットと呼び、NTT西日本が設置する。

(4)ケーブルラック
 はしご状のケーブルを固定するラック。フロアを貫通して設けられている。

(5)構内ケーブル
 複数の光ファイバーが入った構内配線用ケーブル。

(6)EPS(Electric Pipe ShaftまたはSpace)室
 ビルの各フロアを貫通している配管の収納スペース。PD盤が設置される。

(7)PD(Premise Distribution)盤
 PT盤から各フロアに分配された構内ケーブルを分配するためのキャビネット。

(8)ターミネーションケーブル
 PD盤と回線終端装置を接続するケーブルであり、光ファイバーは通常、現用1本・予備1本の2本が入っている。圧力や引っ張りから光ファイバーを保護するため被覆され、鋼線などで補強されている。

(9)回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)
 光ファイバー上の伝送信号をルーター/スイッチなどの端末インタフェースの伝送信号に変換する装置。電源が必要。

(10)ハンドホール
 公道からビル内に光ファイバーなどを引き込むため、ユーザー敷地内に設置するコンクリート製の設備。

(11)共同溝
 通信線や電線、ガスなどのライフラインを公道の地下にまとめて収容する施設。

(12)加入者光ケーブル
 収容局からユーザ宅までを接続する光ケーブル。

(13)キャリア局内装置
 キャリアがNTT東西のアクセス回線を借りて回線サービスを提供するため、NTT東西ビルに設置してアクセス回線の接続や中継伝送をするための装置。1種類の装置とは限らず、局状に応じてスイッチ、ルーター、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重化装置)などが使われる。

(14)中継ケーブル
 NTT東西ビル間やNTT東西ビルとキャリアビル間を接続する光ケーブル。

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