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記者の眼

iPad発売で進むモバイル通信の価格破壊

根本 浩之=ITpro 2010/06/02 ITpro

 先週、日本でも話題のiPadがようやく発売された。はじめに断っておくが、筆者はiPadにはほとんど興味がない。世間が騒いでいるから、ある程度の関心は持っているものの、個人的にiPadを買う気はまったくない。そのため、iPadの発売は筆者にまったく関係ない出来事かと思っていたが、実はそうでもなかった。iPadの登場に合わせるように、通信事業者各社から低価格なモバイル通信サービスが続々と登場してきたからだ。

 最初に動いたのは、NTTドコモである。1月に米国でiPadが発表されてから、iPad向けのマイクロSIMカードを単体で提供する意向を表明するなど、NTTドコモはiPadユーザーに同社のFOMAネットワークでのデータ通信サービスを提供する強い意欲を示していた。ところが、いざふたを開けてみると、日本で販売されるiPadではNTTドコモのSIMは利用できず、結局はマイクロSIMの提供も断念することになった。

モバイルWiFiルーターで月額3000~4500円が当たり前に

 マイクロSIMという形でのサービス提供はできなくなったNTTドコモだが、iPadの発売を10日後に控えた携帯電話の夏モデル発表の席で、FOMAを使った定額データプラン向けの新しいキャンペーンを発表した。これは、新規ユーザーに対して、月額最大料金を1年間(契約月を入れて最大13カ月)1575円割り引くというもの。これにより、FOMAの定額データプランを使った場合の最大利用料金が月額で4410円(バリュープランの場合、税込み)にまで下がる。

 4410円というと、ソフトバンクのiPhone向けデータ通信プランとまったく同じ料金である。iPad向けに用意している1500円引きの専用プランにはさすがに及ばないものの、NTTドコモが料金を設定する際にソフトバンクのプランを意識したことは間違いないだろう。FOMAネットワークについては、その品質には定評があるところ。そのFOMAネットワークを1年間の限定付きとはいえ4410円で利用できるという発表に筆者は驚いた。

 このFOMAデータプランのキャンペーンを発表する場で、NTTドコモの山田隆持社長は6月末にNTT東日本がレンタルする「光ポータブル」という製品を手に持って登場した。この製品は、FOMAネットワークとWAN接続しながら、そのネットワーク接続をWiFiルーターとして無線LAN経由で複数の機器に利用させるという、いわゆるモバイルWiFiルーターと呼ばれるものである。この前の週末スペシャルで記事を紹介したので、知っている人も多いだろう(参考記事)。

 つまり、NTTドコモとしてはSIMとしては提供できないものの、このモバイルWiFiルーター経由でiPadあるいはiPhoneからFOMAネットワークを使ってほしいというメッセージを出したものである。NTTドコモの発表時点では、未発表だった光ポータブルを持参して披露するところに、筆者はNTTドコモの本気度を感じた。

 当然だが、このモバイルWiFiルーターを使ったモバイル通信環境を利用できるのは、iPadやiPhoneに限定されるわけではない。WindowsをはじめとするノートパソコンやニンテンドーDSなどのゲーム機など、WiFi通信機能を備えた機器からは基本的に利用できる。もし持っている機器に応じて、複数のモバイル通信サービスを契約していたようなユーザーは、これらを月4410円という1つの契約にまとめることが可能になる。これは、筆者のようにiPadに興味のないユーザーにとっても非常に魅力的である。

 NTTドコモの発表に対し、「Pocket WiFi」でモバイルWiFiルーター市場で先行してきたイー・モバイルも危機感を感じ、すぐに対抗策を発表してきた。NTTドコモの発表から1週間後となる5月25日に、「新世代Wi-Fiキャンペーン」を発表。8月31日までの間に契約した新規ユーザーに対して、1年間(契約月を入れて最大13カ月)月額1000円を割り引くという、NTTドコモによく似たキャンペーンを実施することにした。これにより、月額3980円(下り最大7.2Mbpsのデータプランの場合)でイー・モバイルのモバイル通信サービスが利用できるようになった。

 さらに、NTTドコモのネットワークをMVNO(仮想移動体通信事業者)として借り受けてサービスを提供している日本通信も、5月24日に「b-mobile WiFi」というモバイルWiFiルーターを発表している(参考記事)。日本通信からは、300kbpsという最大通信速度はあるものの月3000円弱(1カ月が2980円、6カ月が1万4900円、1年が2万9800円)で利用できる「b-mobileSIM U300」というデータプランがすでに提供されており、3000~4410円という価格でモバイルWiFiルーターの接続が利用できるという環境が、iPad発売とほぼ同時に可能となったのだ。

 このように、一気に充実してきたモバイル通信サービスに対し、どういう選択がいいのか筆者としての答えは出ていない。もちろん、通信速度や価格といった条件も重要だが、実際に購入・契約するとなると、“縛り”と呼ばれる最低契約期間やSIMロック、モバイルWiFiルーターの価格など、考慮すべき条件は数多くある。キャンペーン期間が終了する数カ月以内には、この複雑な連立方程式に自分なりの解を見つけて契約をしてみるつもりだ。

■変更履歴
イー・モバイルの「新世代Wi-Fiキャンペーン」と発表日を8月25日としていましたが,正しくは5月25日です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/06/02 08:00]

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