写真●沖縄の勉強会の様子
写真●沖縄の勉強会の様子
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 Androidアプリケーション開発者の支援活動の一環として、3月の週末に全国の6都市(東京・名古屋・大阪・高松・札幌・沖縄)でAndroidアプリ開発に関する勉強会「Android/Xperia developer meeting」を開催した。Androidの最新情報の紹介や、4月1日に発売された「Xperia」(勉強会開催の時点では発売前)のタッチ&トライを通じて、「2010年のAndroidはこれまでとは違う」ことを共有していただくことが狙いである。

 開催場所によって規模や雰囲気はまちまちで、それぞれ興味深い内容だったが、ここでは最後に開催した沖縄の勉強会の様子を報告したい(写真)。

 各都市の勉強会は、弊社が用意したセッションとXperiaのタッチ&トライのほか、日本Androidの会の支部による独自企画で構成する。沖縄支部が用意したのは、「IT frogs」プロジェクトの成果紹介である。

 IT frogsのfrogは蛙(カエル)。「井の中の蛙(かわず)、大海を知らず」ということわざから採ったもので、沖縄の将来を担う若者を蛙に例え、グローバル(大海)で活躍する機会を提供したいという思いで始まったプロジェクトだという。2009年度が2期目となる。具体的な活動は研修や海外(シリコンバレー)視察などで、県や地元企業がスポンサーとして支援している。シリコンバレー視察には、沖縄の米国総領事がアップルやグーグルなどへの訪問に協力したという。

 このIT frogsの第2期の成果発表のテーマが「Androidによるモバイル・アプリの開発」とのことで、沖縄開催のAndroid/Xperia developer meetingで発表してもらうことになったのである。発表したのは、高校生、高等専門学校生、大学生の3グループ。「長続きする家計簿アプリ」「プロフィール交換アプリ」「コーディネイト・アプリ」が紹介された。いずれも自分たちが使うことをイメージしたアプリで、若者らしさにあふれるものだった。

 感心したことの一つは、発表後のやり取りである。参加者からの質問や指摘が相次ぎ、なかなか次の発表に移れないほど。内容も、機能の不備や思慮不足をあげつらうものではなく、経験が足りない若者を育てていこうという思いに満ちていた。学生たちが、その一つ一つに耳を傾け、工夫して回答していた真摯な態度も印象的である。発表グループの一つは、「自分たちのアプリをどう思ったか?」と聞きに来るほどだった。

 彼らが大海に出て再び取材できる日が楽しみだし、2010年度以降の第3期、第4期の新しい学生たちにも期待したい。

 私のプレゼンテーションでは、2月にバルセロナで開催されたイベント「Mobile World Congress 2010」でインタビューの機会を得たイスラエルの通信大臣のコメントを用意していた。要約すると「イスラエルは世界の小国。国の発展には、若い人たちが世界で活躍してもらうことが必要。そのための支援を政府は惜しまない」というもの。最後の勉強会で、このコメントと沖縄でのIT frogsの活動が「同期」したこともまたうれしかった。世界に挑む若者を支援するという両者の姿勢には、見習うことが多いと感じた。

 勉強会には、6都市合計で300人程度の方に参加いただき、AndroidやXperiaへの関心の高さを改めて実感した。日本Androidの会の支部の皆さんや地元の関係者の方には、不案内な場所での会場手配や運営などで多大なご協力をいただいた。この場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。