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記者の眼

若手技術者に新しい機会を

中條 将典=ITpro 2010/03/17 ITpro

 「業務で派生開発が中心になっている中、若手エンジニアが新しい技術に取り組むよい機会だと思った」。富士通コンピュータテクノロジーズ(FCT)の菊池伸行社長はこう語る。組み込みソフトウエア開発のコンテスト「ETロボコン」の2010年大会に向けて、この2月に開かれた記者説明会での言葉である。

 長引く不況で、IT関連の開発プロジェクトの案件、とりわけ新規開発の案件が減少している。こうした状況下では、コンテストという“砂場”の中であったとしても、新しいプロジェクトにかかわり、新しい技術に触れることは、若手技術者にとって非常に有益だろう。

 この記事では、記者説明会で発表されたFCTの取り組みについて紹介したい。コンテストへの参加など、若手技術者に新しい機会を与えるきっかけになれば幸いである。

自己啓発活動だが、サポート体制も作る

 FCTではETロボコン2009年大会に向けて、社内募集を行ったところ29人が応募。川崎事業所で2チーム、豊橋事業所と長野事業所でそれぞれ1チームずつの合計4チームを結成した。このうち3チームが地区大会を勝ち抜いてチャンピオンシップ大会に参加。それぞれ、総合準優勝(競技部門3位、モデル部門2位)、総合3位(競技部門1位)、モデル部門3位という好成績を収めた。

 FCTは2008年にもETロボコンに参加したが、その際には地区大会から先に進めなかった。今回の結果は大躍進と言える。

 同社はETロボコンへの参加を、自己啓発活動の一環と位置づけている。活動は業務時間外、残業代はなしである。ただし、試走会や地区大会といった土日に開催される「公式イベント」の参加の際には交通費を支給する。

 2009年には活動を支援する事務局を設置。技術に詳しい担当者が相談に乗るほか、月2回のチーム間の情報交換会や、合宿を開催したり、コンテスト競技で使う「布コース」を購入(約15万円)したりしてきた。取り組みを社内に紹介する技術発表会の準備などは、勤務時間中に行うこともあったという。

「活動が負担だった」が6割

 こうした支援は、組み込みシステム開発をビジネスにしているFCTだったから可能だったのかもしれない。ただし、コンテスト参加への道は平坦ではなかった。大会終了後の参加メンバーへのアンケートでは、約6割が活動が負担になったと答えている。

 ETロボコンの活動は、チームを結成して参加申し込みをしてから大会に参加するまで、半年以上にわたる。メンバーによっては、その間に非常に忙しい部署に異動になったり、異動先の上司の理解が得られなかったりしたそうだ。中心になって活動できたのは、全体の半数程度だったという。

 コンテストの参加に対して、多くが上司や周囲から激励を受けたとしながらも、4人に一人は批判的なとらえ方もされたと答えている。残業時間に活動するとはいえ、部署内でその人だけが定時に仕事を終えて別の場所に行くとなると、「遊んでいると見られてしまう」ことがあったそうだ。

 チーム内のメンバー間での温度差もあった。活動をしていくうちにどんどんのめりこむ人もいれば、そこまでやらなくてもと言う人もいたという。

 それでもコンテストへの参加が技術・スキルの向上に役立ったと答えたのは、参加メンバーの約9割に達した。今後も「若手教育システムの一環として推奨する」(菊池社長)方針だ。

 コンテストへの参加は単に勉強するだけよりも向上意識を刺激し、高いモチベーションにつながるのではないか。菊池社長はコンテストの効能をこう指摘する。もちろん「競技なので運もある」(菊池社長)ことから、結果だけで判断しては方向性を誤る可能性がある。

 菊池社長は、コンテスト参加メンバーと自身が満面の笑顔で写っている写真を示し、「個人的には、この1枚の写真が撮れただけでも満足」と語った。トップの理解が若手技術者のやる気を後押ししていることは間違いない。

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