携帯電話機は、すでに多くの人々の生活の一部となっている。電話やメールといったコミュニケーション機能を基本として、カメラや定期券/財布、ゲーム機の役割までこなすようになった。複数の情報端末を常時携帯して使い分ける人も珍しくない。

 2010年は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ/NTTドコモの「Xperia」をはじめとする各種Android端末やアップルの「iPad」、国内ベンダー各社によるケータイの新機種など、携帯情報端末の市場にさまざまな新製品が登場する。そこで今回は、ITpro読者のみなさんが、携帯情報端末をどのような用途に使っているのか、また、買い替え時に重視するポイントは何か、といった視点でアンケート調査を行った。

 今回のアンケートは2010年2月2日から2月3日にかけて実施し、2009人のITpro会員から回答を得た。回答数が予想以上のスピードで伸び、締め切りを早めたために回答いただけなかったケースもあったとのこと。この場を借りてお詫びします。

スマートフォン利用者は2割弱

 今回のアンケートは「携帯情報端末の利用実態と買い替えに関する調査」と題して実施した。細かい質問事項の後に回答者の年齢も聞いた。今回は、この「年齢」を軸に回答を見ていく。まずは回答者の年代の比率を確認しておこう(図1)。

図1●回答者の年齢構成(有効回答数2000)
図1●回答者の年齢構成(有効回答数2000)

 ITproというサイトの性格上、19歳以下の会員はどうしても少なくなる。今回のアンケートでは、19歳以下はわずか0.3%だった。20歳代も少なく、5.5%にとどまる。年代の中心は40歳代で、全体の42.2%を占める。続く30歳代が27.6%、50歳以上が24.5%という結果になった。

 以降、多くの結果をこの年代別に見ていく。19歳以下もグラフには入れてあるが、サンプル数が極めて少ないので、参考にとどめてほしい。

 では、ITpro会員のみなさんは日ごろどのような情報端末を持ち歩いているのだろうか。その結果をまとめたのが図2である。

図2●常時持ち歩いている情報端末は?(有効回答数1986、複数回答)
図2●常時持ち歩いている情報端末は?(有効回答数1986、複数回答)

 年代の違いに関係なく、最も多いのは「携帯電話/PHS端末」だった。スマートフォンを含まない日本独特のケータイおよびPHS端末を、実に全体の9割(89.9%)の人々が常時持ち歩いている。

 次に多かったのは「携帯音楽プレーヤー」の26.6%。以下、スマートフォン(17.5%)、ノートパソコン(14.2%)、デジタルカメラ(10.9%)と続く。この辺りについては、年代による傾向の違いが見られた。

 「スマートフォン」「携帯音楽プレーヤー」「携帯ゲーム機」は、若い年代ほど利用者が多くなる。例えばスマートフォンを見ると、20歳代では27.3%と約4人に1人が持ち歩いているのに対し、50歳以上では12.8%と8人に1人の比率に落ちる。

 逆に、「ノートパソコン/ネットブック」では、年代が高くなるほど持ち歩く人の比率が高くなる。20歳代では9.1%だが、50歳以上では16.0%になる。

20歳代はスマートフォン、50歳以上はノートPCにシフト?

 次は、日ごろコミュニケーション・ツールとして使っている端末について聞いた。その結果を年代別にまとめたのが図3である。

図3●コミュニケーションに使う主な携帯情報端末は?(有効回答数1987)
図3●コミュニケーションに使う主な携帯情報端末は?(有効回答数1987)

 こちらでも、最も多いのは全年代で「携帯電話/PHS端末」だった。その他の端末に目を向けると、図2の傾向どおり、20歳代では「スマートフォン」の比率が高くなり、50歳以上では「ノートパソコン/ネットブック」の割合が高くなった。