不況の折、2011年春に卒業・就職する学生の就職戦線は、より厳しいものになりそうだ。採用を控える企業が増えるだけでなく、採用するにしても質の高い学生を厳選するという傾向が進む可能性が高い。

 こうした中、2010年1月29日にスキルアップ系サイト「selfup」では、ケータイ情報サイト「IT就活モバイル」をオープンした。こうした時代だからこそ、IT業界を目指す学生を少しでも応援できたら---。サイトの立ち上げにはこんな思いがある。

 「IT就活モバイル」では、ビジネスマナー、IT資格取得対策、文書(エントリーシート)作成術、IT用語解説などの記事を提供している。いずれも就職活動のときに役立つ知識であるのはもちろん、就職後にも必要になる“社会人基礎力”とも言えるスキルを身に付けられるコンテンツである。

 サイトの詳細はこちらのページをご覧いただきたい。ここでは、サイトを作りながら思ったことを書いてみたい。

同じ目標を持つ友達ができる楽しさ

 筆者が就職活動をしたのはもうかれこれ10年以上も前になる。当時を思い出してみると、就職活動はとても楽しかったことを覚えている。

 筆者は理系学部の出身であるが、就職活動では出版社や新聞社ばかりを受けていた。やはり、文章力やプレゼン力などはマスコミ就職対策をこなしてきた文系学生にはかなわない。内定をもらえない日々が長く続いた。

 ただ、企業の説明会や面接会場に足を運ぶと、同じ悩みを抱えた学生に出会う。これが楽しかった。「先日も別の会場で会いましたよね」とか「君も理系出身?」といった具合に会話が弾む。このように、就職活動を通して同じ悩みや目標を持つ友達ができることが楽しかったし心強かった。

 また当時は、電子メールが普及し始めた時期でもあり、電子メールを通じてほかの学生と交流を深められるのも楽しかった。電子メールで交わす「エントリーシートでこんなことを書いた」とか「面接でこの本の感想を語ったら感心された」などの何気ない会話が就職活動の力になった。

手軽につながる特徴を生かす

 時代は進み、今や就職活動の“必須ツール”はケータイである。情報収集はもとより企業説明会や就職セミナーへの参加をケータイで申し込むのは当たり前。人事担当者から連絡を受けるのもケータイだ。「IT就活モバイル」をケータイで立ち上げたのも、こうした学生の利用シーンに合わせたかったからだ。

 ただ、時代が変わって使うツールは変わっても、友達とつながる楽しさや一緒に学ぶ楽しさは変わらないはず。そこで「IT就活モバイル」も、同じ悩みや目標を持つ仲間と一緒に使ってもらえたらと思っている。

 例えば、「この問題解けた?」とか「このIT用語知ってた?」など、ケータイで友達と会話をしながら使ってもらいたい。その方が知識の定着も早いし、なにより楽しい。これは、ケータイの“手軽につながる”という特徴を生かした使い方と言えるだろう。

 「IT就活モバイル」では、ユーザー登録をすると画面上に「友達に教える」というリンクが出現する。このリンクをクリックするとメール送信画面に切り替わり、手軽にメールを送れるようになっている。仲間とやり取りしながら知識を蓄え、その知識を就職活動の“武器”にしてもらえればと思っている。

ケータイ記事をコミュニケーションのネタに

 このサイトは、就職活動をしている学生向けのサイトではあるが、これから就職活動を迎える学生や、社会人に使っていただいてもかまわない。通勤電車などでサッと読んで、IT資格の取得などに役立てていただければと思っている。

 また、就職を控えるお子さんをお持ちの方にもぜひサイトをご覧いただければと思っている。「ITの勉強に役立つサイトを見つけたので見てみたら?」といった感じでお子さんに紹介し、このサイトを親子のコミュニケーションのネタにしてみてはいかがだろうか。

 IT業界の活性化の源は“人材”であることは間違いない。サイトを通じて就職活動をする学生やスキルアップを目指す人を応援していきたい。