本といえば,今でも主流は「紙」である。だがその一方で,「電子」的なファイルの形で購入できる電子ブックの注目度が高まりつつある。

 インターネット総合研究所の調査では,2008年度における日本の電子ブック市場は464億円で,前年度比131%。米Amazonが10月7日,電子ブック用専用機「Kindle」を日本を含む世界100カ国以上で販売すると表明したことも,電子ブックに対する関心を高めるきっかけになりそうだ。

 ただ,電子ブックは読みやすさや扱いやすさ,機器やコンテンツの価格や互換性など,解決すべき課題は少なくない。本を読まない,あるいは読みたくても読書の時間が取れないというビジネスパーソンも増えているという問題もある。こうしたなか,ITpro読者は書籍や電子ブックをどう考えているのかを調査した。

 今回の調査は「ITpro Research」に登録した回答者に協力を募り,Webサイト上のアンケートに答えてもらう形で実施した。調査期間は2009年9月29日から10月5日までで,2000件の回答が集まった。年齢層では30代後半,40代前半が多く,それぞれ約2割を占めた。

読書量は「仕事に関係する本」でも月に0~1冊

 まず,雑誌やコミックを除いた書籍を「仕事に関係する本」と「仕事に関係しない本」に分けて,それぞれに関して1カ月にどのくらい読むかを尋ねた。

 仕事に関係する本では,最も多かったのは「0~1冊」で55.4%と過半数を占めた。次が「2~3冊」で33.0%。仕事にかかわる本の読書量は多くて月に3冊,読んでせいぜい1冊というのが実態なようだ(図1)。

図1●月に何冊の「仕事に関係する書籍」を読むか(ここ半年の平均,雑誌やコミックは除く。N=1993)
図1●月に何冊の「仕事に関係する書籍」を読むか(ここ半年の平均,雑誌やコミックは除く。N=1993)

 仕事に関係しない本はどうか。結果は,平均すれば仕事に関係する本とあまり変わらないのではないか。「0~1冊」が39.1%で最も多く,「2~3冊」が35.7%でこれに続いた。一方で,「21冊以上」も1.5%あった(図2)。

図2●月に何冊の「仕事に関係しない書籍」を読むか(ここ半年の平均,雑誌やコミックは除く。N=1993)
図2●月に何冊の「仕事に関係しない書籍」を読むか(ここ半年の平均,雑誌やコミックは除く。N=1993)