4月27日から29日までフロリダ州・オーランドで開催された「RFID Journal LIVE! 2009」に参加してきました(写真1)。現在のRFID業界の状況をよく反映した展示会でしたので、遅くなってしまったのですが今回はその内容を報告したいと思います。

世界最大のRFID総合イベント

写真1●RFID Journal LIVE! 2009のメイン会場
写真1●RFID Journal LIVE! 2009のメイン会場
[画像のクリックで拡大表示]

 RFID Journal LIVE!は世界最大のRFID展示会です。RFID Journal LIVEは今回で7回目になり、去年まで毎年参加者を増やしてきました。今年の参加者は主催者発表で2400人で、去年の参加者3000人からは2割減となりました。ですが、米国の経済状況の悪化のため多くのIT展示会では参加者数が3分の2や半分になるような規模縮小に見舞われています。ましてRFID業界では特に大きなニュースが発表されておらず、その中で参加者減をこれだけにとどめたというのは大したものだと思います。

 以前は「RFID World」という同じぐらいの規模のRFID展示会があったのですが、運営上いろいろ迷走があり、結局今年からセンサーネットワークなどを含む総合展示会「RF Edge」に吸収されることになりました。この2つの展示会の命運を分けたものは主催者の熱意ではないかと私は感じています。RFID Journal LIVE!を主催する雑誌RFID Journalの記事は、RFID業界を盛り上げたい、RFIDを普及させたいという熱意に満ちています。それは時には他の情報ソースを当たって公平な全体像を把握しなければならないほどですが、この熱意がベンダーに伝わらないはずはありません。以前から展示会の内容の濃さが他のRFID展示会とは全く違っていたのです。実際、毎年3月ぐらいからRFIDベンダーが発表する新製品・サービスは非常に少なくなり、それは4月から5月にかけて開催されるRFID Journal LIVE!で披露して業界の注目を集めるためだと言われています。