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芦屋広太一つ上のヒューマンマネジメント

どの会社でも通用する仕事術(1)いざという時に役立つ7つの力

2009/04/21

 少し前の話だが,ある会合の懇親会で,IT系ベンチャー企業の社長をしている山村氏(仮名)と話す機会があった。

 山村氏は40歳を少し超えたくらい。大学を卒業後,営業の仕事を中心に転職を繰り返していくつかの企業を渡り歩き,現在は自分の会社を立ち上げて社長を務めている。

 筆者との会話は、最初は当たりさわりのない話題だったが,だんだんキャリアアップや能力アップの話題に移っていった。山村氏は自分のスキルとキャリアで世を渡ってきた種類の人間であり,スキルやキャリアに対して強い自負やポリシーを持っている。最後はこれらについて熱く語っていた。

 山村氏は筆者にどのようなことを話したのか。主張をまとめると,以下のようになる。

・ビジネスパーソンが,仕事を通じてどのような能力(知識やスキル)を身に付けていくかが,後のキャリア形成を大きく左右する。どうせなら,今後のキャリア形成において有利な能力を習得すべきだ。

・能力には,(1)特定の会社,業界,組織でしか通用しない能力と,(2)会社,業界,組織を問わず,どこでも通用する能力の2種類がある。(1)よりも(2)を高いレベルで身に付けることが,キャリアを形成する上で有効だ。

・自分の経験では,(1)を重視し,(2)を軽視してきた人間は,転勤あるいは転職,独立した時に苦しむことが多い。(2)を高いレベルで身に付けてきた人は,転勤や転職,独立した場合でもうまく仕事を進められるケースが多い。

・頻繁に転勤や転職を繰り返したり,起業家として生きていこうと考えている場合には,(2)を磨くことが重要である。雇用がさらに不安定になってくる今後を考えると,その必要性はますます高くなるに違いない。

 山村氏がキャリアアップやスキルアップに対して,どれだけ強い関心と意欲を抱いているかが分かるだろう。

 もちろん,ビジネスパーソンの誰もが「いつかは自分の会社を持ち,経営者として活動したい」と考えているわけではない。その点を差し引いても,山村氏の考え方は大いに参考になる。

 どうせ身に付けるのであれば,「特定の会社,業界,組織でしか通用しない」能力よりは,「どこでも通用する」能力を習得すべきだ。山村氏の主張に,筆者も同意する。

特定の会社でしか通用しない「社内政治力」

 特定の会社,業界,組織でしか通用しない能力とは,「ある特定の会社や組織でしか通用しそうにない,使える範囲が限定されそうな基礎・応用能力」を指す。「ある会社オリジナルの商品に関する知識や商品を売るスキル」から,「会社や組織の派閥間の独自調整能力」のようなものまで、その範囲は広く多岐にわたる。

 特に後者の能力は「社内政治力」などと呼ばれ,ある会社内では出世に必要かもしれないが,社外ではまったく通用しない能力の典型例と言える。

 その一方で,会社,業界,組織を問わず,どこでも通用すると思われる能力がある。たとえば,「仕事を頼む」「交渉する」「文章を書く」のといった基礎的な仕事力は,どんな会社でも,どんな業界でも,どんな組織でも必要である。これらがうまくできれば,仕事の生産性は非常に高くなる。
 
 このような能力は,特定の会社や組織,業界で有効なのはもちろん,それ以外の会社,組織,業界でも通用する。社内でも社外でも使えるのだから,身に付けると非常に便利な能力なのである。
 
 今回からの連載では,「どの会社でも通用する」仕事術として,私が身に付けてきたことを説明していきたい。

>>教えるための9つのコツ
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著者プロフィール

芦屋 広太(あしや こうた)
 システムアナリスト/教育評論家。SE,PM,システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。将来を担う人材研究に利用する。著書にITproでの連載をまとめた「ITエンジニアのための人を動かす9の基礎力と27のエクササイズ」(日経BP社),「ITエンジニアのための仕事を速くする7の基礎力と9のエクササイズ」(同),「「たった一行」で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方(インプレスジャパン),「仕事を成功させる[芦屋式]コミュニケーション5つの技術」(ソーテック),「IT教育コンサルタントが教える 仕事がうまくいくコミュニケーションの技術」(PHP研究所),「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社),「Dr芦屋のSE診断クリニック」(翔泳社),「話し過ぎない技術(毎日コミュニケーションズ)」などがある。Twitter:@hongojk、facebook:kouta asiya(clinic@a-ron.net)。

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