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10年後も通用する文章術(3)平易に,正確に,短く表現する

2009/03/12

 前回に続いて,「駄目な文章を書かない」ための「6力」を説明しましょう。6力とは

よい文章を書くための6力
(1)確実に伝える〜論点絞り力
(2)納得させる〜論理的記述力
(3)一目で認知させる〜構造化力
(4)理解しやすくする〜平易表現力
(5)正確に伝える〜正確表現力
(6)少ない文章量で伝える〜短文表現力

のことです。前回は(1)から(3)を説明しました。今回は(4)から(6)を説明します。

(4)理解しやすくする〜平易表現力

ポイント
・「難しい用語,専門的な用語,自分やチームの人」しか分からない言葉は,言い換えて表現する
・ただし,文章に前修飾すると分かりづらいので,注やカッコで脚注にする

 説得力のあるよい文章を書くためには,その文章で何を言いたいのかが相手に確実に理解してもらえるようにしなければなりません。このような文章に必要なのは,「できるだけ平易に表現する」ことです。

 そのためには,専門用語や難しい用語,自分やチームしか分からない用語をできるだけ避ける必要があります。これらの用語を使って文章を書くと,その文章は分かりにくくなり,説得力も低くなります。これでは相手に理解してもらうことができません。

●前修飾による読みにくさを解消する

 分かりやすい言葉を使っているにもかかわらず,文章が分かりにくくなるケースがあります。以下の文をご覧ください。

来年45歳になるかなり厳しい私の前の上司が新しい所属の部長になった。

 なぜ分かりにくいのでしょうか。「来年45歳になるかなり厳しい」という前修飾を使っているからです。

 この例からも分かるように,名詞などの語句を前から修飾すると意味が分かりにくくなります。この文を以下のように修正すると,意味が通りやすくなります。

私の前の上司(※)が新しい所属の部長になった。
※来年45歳。指導はかなり厳しい。

 このように「平易に表現する」ための要素を理解し,簡潔で意味の通りやすい文章を書くよう心がける必要があります。

(5)正確に伝える〜正確表現力

ポイント
・「自分が知っていること」を省略しない。あくまで相手の知識,理解をベースに書く
・主語,主体を明確に書く
・曖昧な表現,無意味な表現は避ける

 分かりやすく書くためには,むやみに省略をしないことが大切です。省略とは,本来記載すべき内容を「書かない」ことを言います。

 読み手と書き手では,持っている情報や知識の量は異なっているのが普通です。文章でむやみに省略してしまうと,読み手が理解できないものになってしまいます。省略は,書き手と読み手の両方が既知の内容だけにすべきです。

>>少ない文章量で伝える〜短文表現力
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著者プロフィール

芦屋 広太(あしや こうた)
 システムアナリスト/教育評論家。SE,PM,システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。将来を担う人材研究に利用する。著書にITproでの連載をまとめた「ITエンジニアのための人を動かす9の基礎力と27のエクササイズ」(日経BP社),「ITエンジニアのための仕事を速くする7の基礎力と9のエクササイズ」(同),「「たった一行」で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方(インプレスジャパン),「仕事を成功させる[芦屋式]コミュニケーション5つの技術」(ソーテック),「IT教育コンサルタントが教える 仕事がうまくいくコミュニケーションの技術」(PHP研究所),「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社),「Dr芦屋のSE診断クリニック」(翔泳社),「話し過ぎない技術(毎日コミュニケーションズ)」などがある。Twitter:@hongojk、facebook:kouta asiya(clinic@a-ron.net)。

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