今回は一度自分の雑文の方に書いたネタですし,後でも述べるように直接的にはあまりオープンソースとは関係のない話題なので,これについて書くことは避けようと思っていましたが,あちこちで話題になっている話なので,あらためて記事にしたいと思います。

 話の元は,先日のITproの記事です。

見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること

 この記事の内容が衝撃的だったせいか,いろいろなところで話題になっていました。実は最初は直接この記事を見たわけではなく,この記事について書かれたブログを読んでから読みました。記事を読んでから,あらためて他の関連記事を見たのですが,私にとっては「案の定」という感じを受けました。では,何がそうだったかという話から始めたいと思います。

大館市のやったこと

 詳しいことは,元の記事とスラッシュドット・ジャパンの記事,

秋田県大館市,Asteriskを導入していた

 を見てもらうと良いでしょう。特にスラッシュドットの方は,構築した方が直接返事を書いておられます。

 ここでは当記事のために,だいたいの要約を書いておきます。

 大館市では,

・電話料金の削減のためにIP電話を検討した
・ベンダーの見積りは2億円だった
・IP電話を諦めて(つまり電話料金削減を諦めて)アナログ交換機にすると2000万円の見積りだった
・自前でAsteriskを入れたら,820万円で済んだ

 ということのようです。どのように入れたかと言えば,

・自宅で試験をし,さらに庁舎で試験をして,実現性の検討をした
・庁舎内は自前でケーブル布設を行った
・庁舎間の接続はダークファイバとVPNを使った

 ということのようです。また,あまりはっきりとは書いてありませんが,サーバーのインストール等は職員の方が自分でされたのでしょう。表面的なところを見れば,「職員が全部自前でやってしまったら,2億円が820万円で済んだよ。オープンソースばんざい」ということになるのではないかと思います。