ある僧侶によると「人の幸せは4つしかない。愛されること、ほめられること、必要とされること、人の役に立つこと」だそうです。どれも、その通りだと思います。それはそれとして、ITエンジニアが幸せを感じるのは、どんなときでしょう。

会津の夜に真面目な座談会

 人の幸せは4つしかないというのは、TV番組で知ったことです。多くの障害者を雇用している企業の社長さんが「彼らは、毎日毎日、不自由な体で満員電車にゆられて通勤している。そんなことをさせられて、彼らは嬉しいのだろうか」と悩んで、ある僧侶に相談したそうです。僧侶の答えは「人の幸せは、愛されること、ほめられること、必要とされること、人の役に立つことである。働くことによって、3つも幸せが得られるのですから、とてもよいことです」でした。TV番組を見て大いに感動した私は、4つの幸せを誰かに無性に話したくなりました。多くの人が、4つの幸せに賛同すると思ったからです。

 TV番組を見た次の日に、私は、パソコン甲子園2008本選大会に、審査委員の一人として参加しました。大会終了後の夜、同じく審査委員をしていたCGアーティストのH女史、大学准教授のI氏、そして取材に来ていたライターのY女史、記者のY氏と一緒に、地元の居酒屋に飲みに行きました。ほどよく酔いが回ったところで、私は「幸せとは何か」という話題を切り出してみました。

H女史:四つ葉のクローバーの「希望」「誠実」「愛情」「幸運」をイメージするわ。
I氏:幸せを感じるのは、休日に朝寝坊したときだね。
Y女史:矢沢さんが感動した4つの幸せは、どれも受身よね。もっと能動的な幸せもあるんじゃないかしら。

 残念ながら、私が感動した4つの幸せには、誰も賛同してくれませんでした。幸福感というものは、人それぞれだったのです。仕事や生活の環境が違えば、幸福感が違って当たり前なのですね。

あなたのITエンジニアとしての幸せを教えてください

 それなら、ITエンジニアという仕事をしている人たちには、共通する幸福感があるのではないでしょうか。私がITエンジニアとしての幸せを感じるのは、以下の場面です。これらは、主にプログラマとしての幸せです。幸福度を★の数で示しています。

コンパイルが通ったとき ★
よいアルゴリズムを思いついたとき ★★★
プログラムが動作したとき ★★
バグの原因がわかったとき ★★★
納品物一式が準備できたとき ★★
無事に納品し検収となったとき ★★★★
お客様から便利なプログラムだと言っていただけたとき ★★★★★

 自分で書いておきながら、あまり感動するようなものではないですね。この記事では、皆さんのコメントの書き込みをお待ちしています。「ITエンジニアとして、こういうときに幸せを感じた」という経験談を教えてください。「その通りだ!」と感動するものを期待しております。

メンタルヘルスの本が出た!

 実は、ITpro WatcherのDevelopmentコーナーで、こんな道徳のような話題で記事を書いていてよいものかと悩んでおりました。つい最近「そういうことって、やっぱり大事だよ」と、私に勇気をくれるような本が発刊されました。「SEのためのうつ回避マニュアル~壊れていくSE(株式会社ピースマインド著、翔泳社刊)」です。著者の株式会社ピースマインドは、メンタルヘルスのカウンセリングを行っている会社です。

SEのためのうつ回避マニュアル~壊れていくSE
株式会社ピースマインド著、翔泳社刊
定価1680円+税
ISBN 9784798114187

 ITエンジニアは、肉体労働者です。肉体は、ちゃんとケアしないと、衰えたり、怪我をしたり、病気になったりします。プロなら、肉体のケアに大いに気を使うべきです。ITエンジニアが酷使している肉体は、なんたって頭脳です。頭脳のケアをしましょう。そのために、この記事が、ほんの少しでもお役に立てば幸いです。