芦屋広太一つ上のヒューマンマネジメント

5分で人を育てる技術(56)「困ったときに助けてもらえない人」向けのカード

初公開日:2008/07/24

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芦屋: では,今日の問題だ。6番目のカードを説明しよう。問6を考えてほしい。

問6

芦屋: このヒントになるのがこのカードだよ。

ヒント6

芦屋:

問6の解決策のヒントは,「返報性を利用する」ということだ。返報性とは,「他人に何かをしてあげると,相手はどうしてもお返しをしたくなる」という心理学の法則だ。「人によくしてあげると,必ずよいことが帰ってくる」ということだな。これに関係する法則に,「好意の返報性」というものもある。人に好意を抱けば,相手からも好意を持たれる。反対に「悪意の返報性」というものある

桧山: 相手に悪意を持てば,相手からも悪意を持たれる?
芦屋:

そうだ。「他人と対立しやすい人向けのカード」で話したけど,自分が敵意をもつと,相手も敵意をもつ。これが悪意の返報性だ。

桧山: はい。
芦屋:

僕は返報性をよく使ってきたよ。例えば,プロジェクトでは客先やメンバー,パートナー会社の要望に対し,できることは積極的にやってきた。それも,「すぐやる」,「元気にやる」ということが大事だ。嫌々「やる」では,相手は喜ばない。つまり,返報性が働かない…,というよりも,悪意の返報性が働くことがあるから注意してほしい。

桧山: なぜ,「やってあげる」のに,悪意の返報性が?
芦屋:

人は印象にとらわれる。同じことでも,即答で「喜んでやります」というのと,何日も解答を保留して「まあ,やりますわ」と言うのでは,相手のありがたみが全然違うのさ。前者は,「ありがとう」,後者は「嫌々かよ」という印象になる。前者は好意の返報性が期待でき,後者は悪意の返報性につながるリスクがあるわけだよ。桧山,ヒューマンマネジメントは難しい。こういうささいなことが,雲泥の差になってくるんだよ。

桧山: はい…。
芦屋:

では,今日は,ここまでにして,明日は最後のカードを説明しよう。

 私は,桧山に6枚目のカードの使い方を説明しました。今回の「芦屋式 思考力トレーニングカード6」を以下からダウンロードできるようにしています。よろしければお使いください。

「芦屋式 思考力トレーニングカード6」
(PDFファイルをダウンロード)

※          ※          ※

 この連載をベースに大幅に加筆・修正した内容の書籍を7月末に出版することになりました。タイトルは,「ITエンジニアのための仕事を速くする9の基礎力と7のエクササイズ(ITproBOOKS)」です。Amazonなどの書店サイトに目次や内容の説明がありますので,ご興味のある方はぜひご確認ください。このほか日経ソリューションビジネスで2008年7月15日号から「ユーザー企業とのリレーション強化術」という営業担当者向けの連載も始めました。

著者プロフィール

芦屋 広太(あしや こうた)
 システムアナリスト/IT教育コンサルタント。本郷人間塾幹事長/副塾長。SE,PM,システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。現場での教育,雑誌・書籍の発表,セミナー・研修に利用する。著書にITproでの連載をまとめた「ITエンジニアのための人を動かす9の基礎力と27のエクササイズ」(日経BP社),「ITエンジニアのための仕事を速くする7の基礎力と9のエクササイズ」(同),「「たった一行」で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方(インプレスジャパン),「仕事を成功させる[芦屋式]コミュニケーション5つの技術」(ソーテック),「IT教育コンサルタントが教える 仕事がうまくいくコミュニケーションの技術」(PHP研究所),「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社),「Dr芦屋のSE診断クリニック」(翔泳社),「話し過ぎない技術(毎日コミュニケーションズ)」などがある。

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