ITPro Watcher的には久米さんの「実名blog」の弁護が流行っているようですね。これについては既に「おごちゃんの雑文」の方で書いてしまっているので,そっちを見て下さい。

 ちなみに私は文章を書く時もネットの活動も,みんな実名の「生越昌己」もしくは実名と深くリンクしている「おごちゃん」でしています。これは私がネットを使い始めた頃からそうしています。当時(10年以上前)のネットは実名を出しても別にどうってことがなかったことと,フリーソフトウエアを公開するということは「就職活動」として始めたことだったので,「名刺代わりになる」ということが大事だったことからです。

 よく「無名人が実名出して何になる」という声がありますが,当時の私にとっては「無名人だからこそ実名を出した」のです。つまり,自分の作品と共に自分の名前を売りたかったわけです。お陰で雑誌の連載を持ったり本を出版したりという機会ができたので,私の「商標戦略(ブランディング)」は成功したんじゃないかなと思います。まぁそのせいで2ちゃんねるに実名スレができても削除されないというのは,ちょっと困るのですが。

Freshmeatを眺めてみる

 皆さんはFreshmeatを見てますか? もしかしたら御存知ない方もいるかも知れないので,ちょっとだけ説明しておきます。

 Freshmeatは「SourceForge.COM」の運営している,オープンソースソフトウエア(例外もあります)の情報を提供するサイトで,ソフトウエア(プロジェクト)の新着情報やインデクシングを行っているものです。SourceForge.COMは他にもSourceForge.NETというサービスも行っていて,こちらはリポジトリサービスでプロジェクトの実体が置かれています。

 Freshmeatを見たことがある人でも,メンバー登録をしている人は少ないと思います。よくわからないうちは,「私がソフトウエア公開してるわけじゃないし」と思って会員登録をしないのが普通だと思います。実は私もそうでした。でも,会員登録をしておくと,

  • 新着の未読管理ができる
  • 情報にフィルターをかけることができる
  • 新着情報をメールでもらう設定ができる

     等々,単に見るだけでもいろいろ便利になります。他にもコミュニティサイト的な使い方もできるようになりますし,もちろん自作のソフトウエアのリリースを書けるようになります。

     私はここの新着情報のRSSを引くようにしています。毎日数十~数百の新着情報が送られて来ますから,なかなか追いつくのが大変です。ほとんどがバージョンアップリリースの情報ですが,1割強くらい(1日平均7,8個くらい)新規公開の情報もあります。これを見ていると,どんどん新しいソフトウエアが作られていることがわかります。また,ちょっと前まで日本人らしいものはあまり見掛けなかったのですが,最近は結構見掛けるようになったので,やっとワールドワイドに情報を出せるようになったのかと嬉しくもなります。

     こうやって時系列の情報だけを追っていると,「どんどんソフトウエアが増えていくな」と思うのですが,実際にはそんなに急激に自分の周囲のソフトウエアの選択枝が増えているという感じがないと思いませんか? これにはいくつかの理由があるのですが,

  • まったく新しいソフトウエアがディストリビューションに入ることはまずない
  • 既に定番ソフトウエアがあれば,わざわざ乗り換えたりしない
  • 生まれて来るプロジェクトもあれば,死んで行くプロジェクトもある

     というようなことではないかと思います。実際しばらく見ているとわかりますが,興味を引くソフトウエアがあっても,大抵「Ver 1.0」が出る前に消えてしまっています。これを見ていると,商用ソフトウエアのような「弱肉強食」とはまた違った,厳しい生存競争があるようにも見えて来ます。