突然ですが、今回でこの連載をお休みすることになりました。この「Skype日記」は、「ITpro Watcher」以前の「Weekend Special」から連載しており、気が付けばすでに50回を超えていました。最初の掲載が2006年1月でしたから、もう2年も連載したことになります。この2年間はあっと言う間で、自分が50回以上も記事を書いたのが信じられません。そこで今回は、過去52回の連載を振り返ってみます。

 まず、一番多く取り上げたのは、もちろんSkypeについてです。28回もSkypeについて書きました。2006年はじめの連載当初は、ちょうどSkypeがビデオチャットをサポートした時でした。この2年でSkypeは、様々な進化を遂げました。

 例えば、小型のSkype専用端末が発売になったり、WindowsCEで動くSkypeのバージョンが公開されたりしました。前回購入したと書いたウィルコムのケータイ電話機「Advanced W-Zero3[es]」(アドエス)でもSkypeを動かせるため、出先からSkypeのチャットで発言する時に使っています。

 Skype本体としては、元々あったSkypeの暗号化が強固であることを確かめたり、APIなど基本機能の拡充を取り上げたりしました。もっともユーザーが使って便利な機能としては、チャットのログを編集できるようになるなど細かい点の拡張は進みましたが、ビデオを搭載した時のような大規模な変更はありませんでした。今後期待したいところです。

 次にこの連載で多く取り上げたのは、私が普段使っているツールやサービスです。「Wiki」を使った情報共有方法や、バグ管理ソフト「Trac」を使った開発の進め方ファイルのバックアップ方法などを紹介しました。少しでもみなさんのお役に立てればいいなと思います。

 私はツールを使うだけではなく、必要があれば自分でツールを作っています。連載では、「Pragger」と呼ぶ情報接続ツールや、アドエス上で動くメールサーバーを紹介しました。ソフト作りは自分のスキルアップになりますし、使うと便利ですし、ネットで公開すれば他の人に使ってもらえます。これからも、どんどんソフトを作っていきたいと思っています。

 使えるツールやサービスを公開するために、私は新しく出たサービスは積極的に使うようにしています。アンテナをピンと張って新しいサービスを探して使ってみると、より自分に合ったツールやサービスを入手ができます。連載では、Skypeの作者がSkypeの次に作った映像配信システム「Joost」や、「Ustream」、MacOSXのバックアップ機能「Time Machine」なども紹介しました。

 また、ソフトウエアだけではなくハードウエアも数多く紹介しました。Skype専用端末、無線LANインターネット共有コミュニティの「FON」のルーター、ソニーの「mylo」、米パームのPDA「PalmZ22」、ウィルコムのアドエスなどを取り上げました。一昔前には大型のコンピュータでやっとできたような高度な処理が、ポケットに入るサイズの端末でできると思うと心踊ります。持ち歩けるこうした機器は、ついつい多くの機種を入手してしまいます。

 今回連載を振り返ってみて、改めて私の興味の方向にはあまり一貫性がないなと感じました。一方でそれは、様々なことを体験しているということでしょう。そう自分に言い聞かせて、これからも様々な分野に興味を持っていきたいと思います。

写真●つくばのうまいものシリーズ   写真●つくばのうまいものシリーズ
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