先日,個人用のデジタルカメラを新調しました。私は,かのプロジェクトXにも取り上げられた日本デジカメ史の草分け「CASIO QV-10」を1995年に購入して以来のデジカメヘビーユーザーです。今や,デジカメは,ブログ更新にプレゼン用のムービー作成にと大活躍で,私の人生で欠かせない「七つ道具の一つ」と言っても過言ではありません。

 これまで7台ものデジカメを使ってきましたが,実は個人用のデジタル一眼レフを持っていませんでした。たしかに社用の一眼レフを使ってみれば,明らかに「撮れる写真の質」が変わります。とは言え,ふだん持ち歩くにはあまりに大きく,大げさに思えていたのです。

 しかし,最近は,デジタル一眼レフを持ち歩く縁者が増えてきました。何かと自慢ばかりされるので,この際「マトモなデジカメ」を持とうと決意したのです。その時から,私にとって「最適な高性能デジカメ」を買い求めるための情報収集が始まりました。

 その結果,改めて「今やネットなくして賢い買い物はできない」と痛感したのです。そして「将来の生活者の購買活動を知りたかったら,自らの購買活動を知れ」と思い知りました。

まずは店頭で見て聞いて売れ行きランキングを知る

 幸いなことに,私たちの会社の最寄駅にヨドバシカメラがあるので,まずは店頭にデジタル一眼レフを見に行きました。ここでは,売上げ人気ランキングもPOPで掲載されているので,簡単に「売れ筋の人気商品」を知ることができるからです。

 それから,現物を見て,触れることが「店頭の魅力」の最たるものでしょう。「わ,結構大きい」「ずっしりくる」「手になじむ」といった大切なことは,手に取ってみなければわかりません。また,店員に質問すれば,それなりの回答が返ってきますので,「おすすめ商品」「各商品の長短所」といった,よくある質問はここでクリアしておきます。

 ひょっとしたら,多くの人は「最初に訪れた店頭」で予算やニーズを告げて,そのまま買ってしまうかもしれません。しかし,買い物のプロセス自体を楽しみにする「新しいネット生活者」にとっては,これはまだ最初の下調べに過ぎません。

カタログを集めて,穴の開くほど読み漁る

 店頭では,目星をつけた商品のカタログも一通り集めておきます。性能を比べるために,コンパクトデジカメなどの総合カタログも集めておきましたが,これが後で大変役に立ちました。

 カメラに限らず,購入前に商品を選ぶべくカタログを眺めている時間は,私にとって至福の時間でもあります。

 どのメーカーのどの機種も「われこそは」と自慢の機能を独自の表現で全面に打ち出しています。読み込むうちに,それが,独創的な技術であるのか,同工異曲なのかもわかるようにもなります。機能を,数字に落として比較できるようにもなるでしょう。もちろん,高級一眼レフになればなるほど,通常は性能も上がってきます。しかし,ふと最新のコンパクトデジカメのカタログを見ると,画素数ではひけをとらなかったり,一眼レフにはない便利な機能を備えていることもわかります。

 こうしてメーカー横断的・機種横断的にカタログをていねいに読み込むと,「デジカメの今」が感じられます。合わせて,各社がこれから目指そうとしている「技術の方向性」も見え隠れするのです。