先月の話ですが、10月にMac OS Xの最新版「Leopard」が発売されました。Leopardは、2005年4月発売の「Tiger」から2年半ぶりに登場した新バージョンで、300を超える機能が追加されました。新機能の一覧は、アップルのサイトを見てもらうとして、ここでは私が注目した「Time Machine」というバックアップ機能を紹介しましょう。

 Time Machineは、ファイルをバックアップする機能です。通常、ファイルをバックアップするには、ユーザーがファイルをコピーしたり、バックアップツールを使ってバックアップしたりします。バックアップする頻度は、週単位や月単位が普通です。一方、Time Machineでは、例えば1時間おきに、しかも自動的にバックアップできます。これは、大変便利です。

 私は、Macも使いますが、普段はFreeBSDやWindowsを載せたPCも使っています。実はMac以外のOSにも、Time Machineのようなバックアップツールはいくつかあります。まずWindowsでは、Windows 2003やWindows Vistaに「ボリュームシャドーコピー」と呼ぶ機能があります。使用するには、その機能を有効になるように設定した上で、ファイルやフォルダのプロパティを開いて「以前のバージョン」タブを開きます。

 また、UNIX系OSでは、「pdumpfs」というソフトを利用できます。pdumpfsは汎用的なツールなので、WindowsでもUNIXでも使えます。バックアップした日ごとに名前を付けたディレクトリを作り、そこを見ればその日のファイルを見られます。MacのTimeMachineも、pdumpfsと同じような処理を内部で実行しているようです。

 pdumpfsには基になった「dumpfs」というシステムがあり、このシステムは15年近く前に米ベル研究所で作られた「Plan9」というOSに実装されていたようです。そう考えるとTime Machineは機能としては特別新しくないように思えます。しかし、アップルのすごい所は、元々あった機能をより魅力的にする点です。Time Machineがすごいと私が思うのは、そのインタフェースです。

 Time Machineは、過去にバックアップしたファイルを見るために、3Dを使ったインタフェースを採用しています。画面奥に向かってギュンギュン進むと、時間を遡って昔のファイルが見えるのです(Time Machineの紹介ページ)。このインタフェースは視覚的にもわかりやすく、何と言ってもかっこいい。このように、かっこいいインタフェースを作る点は、さすがアップルだなと思いました。

 私はバックアップツールとして、このAppleのTime Machine、Windowsのボリュームシャドーコピー、そしてpdumpfsを使っていきたいと思います。ただしこれらのツールには、一つ注意点があります。それは、間違ってファイルを消してしまった時にはバックアップが役立ちますが、ハードウエア障害には弱いという点です。もちろん、Time Machineを使う場合、内蔵ハードディスクと外付けハードディスクの両方にバックアップできますが、その両方が同時に壊れてしまうこともあります(関連記事:バックアップしていても消えた5万行のプログラム)。本当に重要なデータはDVDなどのメディアに複数枚バックアップを取るか、RAID装置などを導入しておく必要があるでしょう。

図のタイトル   写真●つくばのうまいものシリーズ
まこと食堂のみそタンメン。550円と安く、それでいて野菜が山盛りです。
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