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芦屋広太一つ上のヒューマンマネジメント

5分で人を育てる技術 (27)言われて嬉しかった“褒め言葉”10事例

2007/09/12

 前回は,チェック表に基づいた具体的な文書添削の方法を説明しました。このように,私は"仕事に役立つ7つの科目"を坂本に教えていました。

仕事に役立つ7つの科目
(1)文書
 文書に関する知識,ノウハウ。報告書,企画書,メール,メモなどがテーマ。
(2)仕事の段取り
 仕事の進め方,準備など段取りに関する知識,ノウハウ。計画書,課題管理,指示書,会議運営などがテーマ。
(3)説得的会話
 説得的会話,交渉,断りに関する知識,ノウハウ。説得的会話,交渉,断り,会話のパス,リバース話法などがテーマ。
(4)ヒューマンマネジメント
 ヒューマンマネジメントに関する知識,ノウハウ。モチベーション,ミッション,行動のインセンティブなどがテーマ。
(5)思考力
 思考力に関する知識,ノウハウ。発想法,ブレスト,意見収集などがテーマ。
(6)情報収集力
 情報収集関する知識,ノウハウ。人脈の作り方,ビジネスマッチング,価値ある情報の選び方などがテーマ。
(7)提案力
 提案に関する知識,ノウハウ。「提案」や「ソリューション営業」,「ミニアライアンス」,提案戦略,顧客分析(プロファイリング),提案書作成などがテーマ。

 さて,坂本には(1)の文書に関する話をしました。しかし,これらは所詮文書そのもの知識,テクニックであり,これだけで坂本が藤井に文書力を身につけさせることはできません。なぜなら,「藤井が坂本の指導を心から受け入れることができるか」という問題があるからです。

 藤井が受け入れないであろう理由は2つあります。一つ目は,藤井は開発部のエンジニアとして身につけた「自分の文章力」を「問題ないもの」と思いこんでいることです。学習意欲は「自分に能力が欠如している」という自覚から発生します。藤井に自覚がない以上,なんらかの方法で「学習意欲を高める工夫」が必要になるのです。

 もう一つは,藤井との人間関係です。藤井が坂本を「信頼する」,「好きになる」,「圧倒的な力の違いを認識する」,「助けてもらったという恩義をもつ」といった感情を持たせない限り,いつまでも信頼関係は築けません。

 つまり,坂本は,文書力の指導をする際に,「藤井の気持ちをうまく捉える」,「藤井の心情に配慮する」という工夫が必要になるのです。坂本も藤井もお互い勝ち気な性格ですので,上司である坂本が上からの目線,上からの物言いで藤井に指導すれば,ますます藤井は坂本に反発することになるでしょう。

 そうならないために,私は坂本にいろいろ考えてもらう必要があったのです。今回は,これに関するエピソードを紹介いたします。これは"7つの科目"の(4)ヒューマンマネジメントの「モチベーション関係」の話になります。

>>人と人の「リレーション部分」を改善せよ
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著者プロフィール

芦屋 広太(あしや こうた)
 システムアナリスト/教育評論家。SE,PM,システムアナリストとしてシステム開発・システム統合などを経験。この過程で調査・分析した内容を「ヒューマンスキル教育」としてモデル化。将来を担う人材研究に利用する。著書にITproでの連載をまとめた「ITエンジニアのための人を動かす9の基礎力と27のエクササイズ」(日経BP社),「ITエンジニアのための仕事を速くする7の基礎力と9のエクササイズ」(同),「「たった一行」で思いどおりに仕事を動かすメールの書き方・返し方(インプレスジャパン),「仕事を成功させる[芦屋式]コミュニケーション5つの技術」(ソーテック),「IT教育コンサルタントが教える 仕事がうまくいくコミュニケーションの技術」(PHP研究所),「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社),「Dr芦屋のSE診断クリニック」(翔泳社),「話し過ぎない技術(毎日コミュニケーションズ)」などがある。Twitter:@hongojk、facebook:kouta asiya(clinic@a-ron.net)。

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