今、「Ustream」というサイトが一部で人気です。今回はこのサイトについて紹介したいと思います。

 Usreamは、リアルタイムの動画配信サイトです。個人が勝手に動画を配信できる点は、YouTubeなどと同じです。ただし、YouTubeは録画したビデオを公開するようになっている一方、Usreamはリアルタイムに動画を配信できます。Ustreamを使えば、個人がインターネットで生放送の放送局を作れるのです。

 Usreamでは、皆さんのパソコンに付いているウェブカメラで、たくさんの人にリアルタイムで動画を放送できます。Ustreamの画期的なところは、これが簡単にできることです。これまでにも配信できるシステムはありましたが、専用のソフトや設定が必要でした。ところがUstreamなら、サイトにアクセスすれば特別なソフトや面倒な設定なしに、そのままパソコンから放送でます。

 Ustreamでは、Adobe Systems社のFlash技術を使っています。Flashは、広告など動きのあるWebページで使われています。Flashは単に動きがあるWebページを作るためだけではなく、Webサーバーにあるプログラムをブラウザがロードし、実行できるようになっています。

 ただし、すべてのプログラムを実行できるようにしてしまうと、ウイルスのような悪意があるプログラムも入ってしまいます。そこでFlashを使っているプログラムでは、PC内のファイルを覗き見ることや、他のコンピュータに攻撃を仕掛けられないように通信が制限されています。Ustreamでは、このようなFlashの制限の中で動画を配信しています。そのため、特別な操作なしで、誰でも簡単にWebページを見るように動画を配信/受信できるのです。

写真●見学に行ったスタンフォード大学の食堂で食べたハンバーガーセットル
写真●見学に行ったスタンフォード大学の食堂で食べたハンバーガーセット
今、アメリカに来ています。このハンバーガーはとても大きく、ポテトも山盛り。コーラもこれでノーマルサイズです。
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 Ustreamでリアルタイム動画配信が実現できた背景には、サーバーの処理能力が強化されていることも大きいと思います。大容量サーバーのおかげで、Ustreamに使われている様々な技術を円滑に処理し、運営することができるようになったのです。

 ただし、サーバーの強化には限界があります。このようなサイトが現在以上に発達するには、やはり処理や負荷を分散できるP2P(Point-to-Point)技術が必要になるのではないでしょうか。もっとも、P2P技術を使う既存のソフトウエアは、Ustreamよりも設定が難しいという課題があります。アプリケーションを各自のPCにインストールする必要もあります。設定の簡単さと負荷の分散---。この2つをどう組み合わせて成し遂げるか。それが今後の課題になっていくと思います。

 さて、最後に、Usreamで私がオススメのチャンネルを紹介します。フランスのHenrickさんが公開しているチャンネルで、彼が飼っているネコの動画を公開しています。子ネコの里親を探すため公開しているそうです。ただし、日本とは時差があるため、日本の夜にしか公開されていないようです。