育成というのはコストがかかる。わかってるんだけどうまくいかない。今回は夏休みなのでその辺を考察。

自分なら1日でできることを部下にやらせてみると・・・
3日も4日もかかる。修正してあげてまた3日かかる。時間がかかってしょうがない。
でも自分でやってはいけない。そんなことやってたら、いつまでたっても部下は自分で「仕事」ができるようにならない。作業はできても仕事ができない人間になってしまう。

ところで仕事には納期がある。

自分でやれば納期に間に合うのに部下にやらせて納期遅れを起こす。
ここに「つい、自分でやっちゃう」ロジックが起動する
「今回は間に合わせるために仕方なく私が」「任せられる人材がいなくて」
これはよくできた隠れ蓑だ。いいわけにしかすぎない。

ここは逆転の発想が必要。
部下に任せた結果、納期が間に合わない仕事なんてやらなければいい。
それを場当たり的な仕事というのだ。いまは凌げても次は凌げない。

未経験のスタッフが起こすトラブルの可能性と規模を織り込んで、それでいて商品価値が落ちないようなギリギリの納期設定をし、部下と自分の間にしっかりしたコミュニケーションラインを構築し、進捗管理をする。

つまり部下を育てるということは大変高度なプロジェクト管理能力が必要ということだ。
優秀なエンジニア≠優秀なPMと同じことで、これは明らかに担当者としての能力とは別のそれだろう。

では優秀な担当でなくて良いのか? それは否だ。
知り尽くした仕事じゃないと先に書いた「トラブルの可能性を織り込ん」だりできない。
これはずば抜けた経験が必要だということでもある。

更に、ずば抜けた経験以外の仕事も経験を基に推理し仮説を組み立てる能力を持ち合わせないと、育成する人材が偏ることにもなるから厄介だ。(その「能力」については別の機会に)

簡単に「育成をしてみろ」なんて言ってるそこのあなた。
育成とはそれくらい困難なことだったんだ。

そして、マネジャーがこういうことを心がけて実行していないと組織は弱体化する。
心がけていればどんどん強くなる。

・・・さあ、そろそろ娘の夏休みの宿題を手伝うとするか。