来る7月14日「海の日」の3連休から,夏休み最初の週末である7月22日の日曜日まで,東京お台場「船の科学館」羊蹄丸アドミラルホールで,エコロジーチャリティTシャツアート展が開催されます。

 このTシャツアート展は,ジャイラ・メディアアート・アクト(JMAA)が主催する年に1度のアートイベントです。このイベントを通じて,クリエイターに作品発表の機会を作ると共に,その作品を販売し,その収益を寄付することでクリエイターによる社会支援活動を推進するのが狙いです。

 第1回の昨年は,赤坂の日本財団ロビーで,STOP DV!(ドメスティック・バイオレンス防止)をテーマに開催され,多くの入場者を集めました。そこでのブログ活用については「Tシャツアート展ブログに見るプレ&ポストイベント戦略」としてご紹介いたしました。

 今年は,海の日の3連休には「1日あたり約3000人の来場者」が訪れる「船の科学館」を会場に,地球温暖化防止をテーマにした作品が公募され,展示販売されるのです。インターネットを中心に活動するNPO(非営利組織)であるJMAAが,今回のイベントでは後援企業,団体と連携しながら,ブログ活用を進化させようとしています。さらに,今後のCSR(企業の社会的責任)活動におけるブログ活用の可能性も考察します。

エコロジーの名のもとに人もNPOも企業も集う

 今年のTシャツアート展のテーマは地球温暖化防止です。これはJMAAに参加するクリエイターのみなさんに,インターネットを通じて「今年のテーマ」を問いかけた結果だそうです。

 公募展を開く前に,テーマをネットで問いかけるというのは新しくて効果的な手法です。メンバーが共感する「好きなテーマ」「旬のテーマ」でなければ,作品数も集まらず,応募作品に魂もこもらないでしょう。

 さらに,口先だけでエコロジーを語った展覧会では,感性鋭いクリエイターの理解も得られないはずです。そこで,今回の展覧会では,作品のもとになるTシャツ素材とそのプリント手法はもちろんのこと,会場で使われる電気さえも,地球環境に配慮して選ばれました。出展されるTシャツの多くは,地球環境に配慮したオーガニックコットンの素材に,無駄なインクを使わないインクジェットプリントで制作されます。さらに,Tシャツの製造から展示会場用の電気まで,風力などの自然エネルギーで発電したグリーン電力証書システムで賄うという徹底ぶりなのです。

 こうして,エコロジーというテーマを追求するアートイベントになったおかげで,賛同する公益法人や企業が集まりやすくなりました。

 後援や協力団体のリストには,船の科学館,日本財団公益コミュニティサイトCANPAN,J-WAVE,ZDNet Japan,(株)自然エネルギー.コム,久米繊維工業(株),(株)横山工藝,デジタルハリウッド,日本イラストレーション協同組合準備会(JILLA)と多彩な顔ぶれが並びます。そして,販売の収益金(Tシャツ1枚あたり500円)は,チャリティとしてWWFジャパンに寄付されるはずです。

 このリストに並ぶそれぞれの団体が持つ強みが,アートイベントに生かされるだけではなく,ブログも活用したインターネット上の相互広報でも効果を上げることでしょう。

船の科学館でプールサイドの親子連れにもメッセージ

 今回のTシャツアート展会場は,東京お台場「船の科学館」羊蹄丸アドミラルホールになりました。夏休みを迎えれば,科学館・プールともども,親子連れがたくさん集まる会場です。

 前回開催された赤坂の日本財団ホールも,国会議事堂,首相官邸,官庁街が目の前にある好立地でした。しかし,地球温暖化というテーマは,まさに未来を担う子供たちにとって深刻なテーマであり,親子で考えてほしい内容なのです。そこで「船の科学館」に後援をいただいて,羊蹄丸船内でTシャツアート展が開催されることになりました。

 会期は,海の日の3連休から始まり,7月20日の「船の科学館開館記念日=無料開放日」をはさんで,夏休み最初の週末である7月22日までです(7月17日のみ休館日)。時期的に,多くの家族連れが訪れてくれることでしょう。

 船の科学館の公式Webサイトや公式ブログでも,これからTシャツアート展の告知が始まるはずです。また,このTシャツアート展を告知する法人や個人のWebサイトやブログに,船の科学館の案内が数多く書かれ,リンクされるはずです。それによって,船の科学館も新たな見学客を集めることができるでしょう。