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片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う6月29日金曜日の深夜,テレビ朝日で「朝まで生テレビ」が放送された。与野党の国会議員が出席し,国民年金に関して意見を戦わせていた。 その番組を見ていた筆者は,片山さつき衆議院議員の発言に,思わず起き上がって映し出されている画面を注視した。片山氏は「(新しい年金システムは)数カ月でできる」と発言したのだ。筆者は「どうやったら数カ月でできるのか説明してください」と画面に向かって叫びそうになった。 同時に,筆者は片山氏の「数カ月でできる発言」には何かの根拠があるのではないか,と考え始めた。国会議員,それも自由民主党広報本部副本部長兼広報局長としての発言だから,さすがにまるっきり根拠や確信のないことは言わないだろう,と考えたからだ。 テレビに映し出された片山氏の発言はそこで終わったのだが,隣席の出席者から小声で訪ねられたのだろう,小さな声で「マイクロソフトの…」という片山氏の私語が短い時間流れた。 筆者はその私語から憶測を始めた。マイクロソフトの誰かが片山氏に対して「社保庁の年金記録に関する情報処理システムの刷新は数カ月でできる」などと説明したのだろうか。あるいは,マイクロソフトから社保庁の新システムに関する提案のようなものがあったのだろうか。 年金システムに関してマイクロソフトのWebに何か掲載されているかもしれない。マイクロソフトは公共機関向けにGovernment WebというWebサイトを開設している。 マイクロソフトはこのWebサイトで「Connected Government Framework (CGF) 」と題する基盤整備コンセプトを説明している。ただ,ここには「数カ月でできる」という片山氏の発言につながりそうな情報は見出せなかった。マイクロソフトと「数カ月でできる発言」の関係はないのかもしれない。 筆者の過去の経験や知識からすると,社保庁の年金システムの開発が数カ月でできるというのは,まず信じられない。ITproの読者の皆さんも同意してくださるのではないか。 例えば,米国の巨大な私的年金基金(特に401K)が運用している情報システムをそっくり複写させてもらい,必要に応じて改変し導入する,といったアプローチであれば,可能性はゼロとはいえない。しかし,それでも数カ月で完了させるのはまず無理だと言っていい。たとえシステム企画や要求定義が済んでいたとしても,だ。 社保庁は内閣府の有識者会議に「業務・システム最適化計画」を提出している。ただこのドキュメントは方針を示しただけで,同庁がどのような情報システムを新たに開発しようとしているのかは明示していない。もちろん,要求定義に類するものも示されていない。 ≪次ページ:脇が甘い「SEがいない」発言≫
>>脇が甘い「SEがいない」発言
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著者プロフィールCRM(顧客関係管理)分野で数々の経験を積んできたコンサルタントの多田正行氏がwatchdog(番犬/監視人)として,CRMの現状や将来を語ります。多田氏は1947年生まれ。現在「eCRM塾」主宰。著書に「売れるしくみづくり」(ダイヤモンド社),「コールセンター・マネジメント入門」(悠々社),「コトラーのマーケティング戦略」(PHP研究所)などがある。 |