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中国のネット監視事情2,日経ビジネスオンラインも検閲対象?昨年から北京に住んでいて実感するのは,個人のネットワーク利用に対しても監視と規制がありそうな点です。中国政府が運営する「金盾」または「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる巨大なインターネット検閲システムの存在はすでに有名です。 北京からは「Wikipedia日本語版」をはじめ,大手ブログ・サービス,「2ちゃんねる」の一部掲示板など,閲覧できない日本のWebサイトがたくさんあります。「日経ビジネスオンライン」も一時的に閲覧できない記事がありました。またなぜか,特に政治性が無いと思われる「ハローワーク」のWebサイトも接続できません。 ポート80番(HTTP)はレイヤー7での監視が行われていると推測できます。例えば最近,「ぺきん わ○ろ」(実際には漢字です。ITproが規制対象になると困るのであえて伏字にしてあります)の文字が入っている文章を自分のブログに書き込もうとしたところ,TCPリセットが飛んできて接続が切断されてしまいました。おそらくコンテンツ・フィルタに禁止ワードが設定されており,これらの禁止ワードが入っているデータを自動的に止める仕組みになっているようです。 HotmailやGmailは週に数度の割合でアクセス不能になります。待っていれば使えるようになるのですが,30分後に戻るのか,1日かかるのかさっぱりわかりません。MSNメッセンジャーやGoogleトーク,Skypeといったサービスも頻繁に使用不可能となります(写真1)。 Web以外のサービスも規制の対象のようです。筆者が体験した例としては,某メーカーでシステム管理者をしていた時代に,突然,IP電話のプロトコルが通信不能になりました。ある日,IP電話プロジェクトのリーダーがあわてた様子で私のところに駆け込んできて,
リーダー「玉利君,ポート××番をファイアーウォールで止めた?」 ということがありました。後で中国人のITマネージャーが詳細を教えてくれたのですが,中国側のインターネット回線でSIPプロトコルがアクセス禁止の対象になったとのことでした。結局,中国人ITマネージャーが電話会社に事情を説明してアクセスを許可してもらいました。 他にも筆者の過去の体験では,日本にあるPOP3メール・サーバーへのアクセスやインターネットVPN(IPsec VPN),「SoftEther」などのSSL-VPNが使えなくなったことがありました。 ところで,北京に来た当初,各種のサービスの不通状態が非常に面倒に感じましたが,人間は半年もするとこんな環境にも慣れてしまうようで,今ではさほど不便とは感じません。おそらく大多数の中国人も「こんなもんだろう」と思っているのではないでしょうか。 前回と今回はネガティブな面ばかりを紹介する形となりましたが,中国のネット世界は日本よりも先を行っていると感じる部分があります。お見合いサイトや動画投稿サイトなどは日本では真似ができないなと思うほどの出来ばえ(?)です。次回は,日本よりも便利な中国のネット・サービス事情などをご紹介したいと思います。 連載新着記事一覧へ >>
著者プロフィール某電機メーカーの社内システム管理者として中国拠点のIT化を担当。中国独特の泥臭い事情と言葉の壁に苦闘しつつも、中国という異文化に興味を持つ。その後某ベンチャー企業勤務を経て、2006年9月から北京へ自費語学留学。北京では1日300円の生活費で暮らし、老百姓(一般市民)の視線から中国のIT事情を突撃レポートする。好物はもちろん中華料理。 |