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芦屋: | 坂本,販社に要望されている販売システムのガイダンス画面の件,開発部に頼んでくれたかな?彼らも忙しいから,上手く話しつけてほしいんだけど?どんな進め方するのか段取り考えてほしいと言っていたけど,今説明してもらえるかな?
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坂本: | そうですね,とりあえず,まず,打ち合わせして,こちらのやってほしい仕様を説明しようと思っているのですが。
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芦屋: | とりあえず? それで,その後はどのようになるのかな?いつ頃できて,いつ販社に説明できるの?
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坂本: | それは,開発部に聞いてみないと分からないですよ。
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芦屋: | だったら,今聞いてみれば・・・電話でいますぐ説明して,確認すればいいと思うんだけど?
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坂本: | いや,全員に説明してほしいと開発部から言われているんです。メンバー間で認識齟齬がでると嫌だといいますし。
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芦屋: | そうかな?君が今電話して説明しちゃって,開発部に案を考えてもらって,会議当日は出てきた案を議論することと,今は何もしないまま会議ではじめて君が説明して,その後にまた案を考え,その後にまた集まって議論をするのとどちらが早いと思う?君,そういうふうに動くときもあるじゃない。なぜ,今回はしないの?
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坂本: | それは・・・
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芦屋: | どうしてしないのか教えてよ。
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坂本: | 今回は,そういうふうに動くことを思いつきませんでした・・・
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芦屋: | そうか。まあ,人間関係がないっていうのはそういうことだよ。仲のよい人たちならすぐ電話して何をして欲しいか説明できるよな。相手もフレンドリーに話してくれるから,自然と仕事の進みが速くなる。こんな関係ならば,会議のときは,内容の確認と論点の整理,課題の検討に集中できるから効率がよい。君は開発部の連中といろいろあるからな。まあ,坂本と開発部を組ませるとどうしても遅くなるな。
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坂本: | ・・・そんなこと言われても,あいつらは話も聞かないし,駄目なんですよ。
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芦屋: | まあ,落ちつけよ。でもな,君もいつまでもそんなこと言えない立場なんだよ。今後,販社向けシステムの開発が進んでくれば,お前の仕事は,彼らとの協業が多くなるのに今のパフォーマンスでは駄目だ。このあたりで,関係改善したほうがいい。
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坂本: | それは,分かっているんです・・・自分は何とかしたいと思っています。でも,向こうもいろいろ思っているでしょうし・・・
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芦屋: | ・・・なあ坂本,好き嫌いがあってもいいんじゃないか。昔の恨みや気に入らないことがあってもいい。それが普通だよ。大事なのは,感情と仕事を分けることじゃないのか?
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坂本: | それは分かっているのですが・・・
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芦屋: | 了解。では,仕事の技術について話そう。君は開発部だけでなく,他の部門との調整も苦手ではないか?同じ部門の同僚とはスムーズに打ち合わせできるけど,他部門とは上手く打ち合わせできないことはなかったかな?
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坂本: | そうですね。はっきり言って他部門とか課長クラスと刷り合わせるとか苦手ですね。
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芦屋: | そう。僕もそうだったよ。誰でもそう・・・なぜだか分かるか?
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坂本: | なんか説明するのに時間がかかったり,意見が対立することが多いんですよ。硬直化して,時間切れになって次回も同じになって・・・非常に時間がかかるんです。だからこの手の調整は仕事が極端に遅くなってしまうんです。
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芦屋: | そうか。なら仕事のやり方を変えよう。いい方法があるんだ。
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坂本: | それは興味ありますね・・・でも難しいのではないでしょうか?
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芦屋: | 全然問題ないよ。この前説明した「他人の考え,ニーズ,スタンス」を知る方法を使うんだ。つまり,仕事の前に徹底的に参加者の利害を調べ,参加者すべてが納得するポイントを探るんだ。そして,あとはそのシナリオに沿ってすすめるだけ。つまり,台本通り会議をしてシナリオ通りに説得して,その結果を議事録に書いて,全体をトレースしていくというスタイルだよ。こうすれば無駄がないから仕事が速い。優秀な人は仕事が速いが,それはこういうことをしているからなんだよ。
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坂本: | なるほど。それなら無駄がないですね。でも,そんな上手くいくんですか?
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芦屋: | いまからやってみよう。まず,君のスタンスを考えよう「システム設計をやってほしい。できるだけ早く」ということになるよね。なぜ,そういう主張になるのか分かるか?
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坂本: | そういう仕事ですので,そういう立場といったほうがいいでしょうか。
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芦屋: | そうだ。それが君のミッションだからだよ。実現すれば評価され,実現できなければ評価されないということになるから。評価されないと君は困るから,実現を邪魔する人間は敵で,手伝ってくれる人は味方とみなす。これが感情だよ。感情が優先すると他人を攻撃するんだ。分かるよね?
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坂本: | ・・・私のことですか・・・まあ,そういうことになりますね。今後気をつけますよ。
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芦屋: | 了解。それが君のスタンス。一方,開発部の人間はどうだろう?君と同じミッションをもっているのかな?
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坂本: | 同じじゃないですか?
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芦屋: | それは違うんじゃないかな。提案が遅れても彼らは直接的には会社から叱咤されないよ。叱咤されるのは君であり上司である僕。だから開発部の連中が本気で設計をしない場合,君は困るから彼らに怒りを感じ文句を言う。
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坂本: | それは,そうですよ。やってもらわなきゃ。
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芦屋: | では,君に文句言われて彼らは困るかな?
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坂本: | ・・・
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芦屋: | 彼らは困らない。なぜなら,君は彼らの人事権がないからな。つまり,君が彼らにいくら文句いっても何の改善にもならない可能性が高いということだよ。君と彼らとはミッションが違うし,君は彼らに命令権はない。彼らに命令権があるのはまず開発部長。その上は僕らの上司でもある情報システム部長だ。君に命令権はないだろう?
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坂本: | ・・・・
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芦屋: | では,質問。今,彼らの仕事は忙しそう?
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坂本: | ええ,決算前ですから忙しいですね。
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芦屋: | なら,会議で君がお願いしても開発部の答えは「NO」の可能性が高いんじゃないのか?
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坂本: | いえ,なんとしてもやらせます。
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芦屋: | でも,君には力でやらせることはできないよ。だって命令権も,人事権もないんだから。
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坂本: | ・・・
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芦屋: | なあ,会議する前から結果分かってるんじゃないか?・・・何の準備もなく,ただ依頼するだけの会議なんかやらなくてもいいんだ。残念ながらミッションの違いで対立するだけだよ。部門が違えばミッションも違う・・・これが,部門調整が上手く進まない理由だ。
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坂本: | ・・・そう・・ですね。
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芦屋: | だからこそ,相手のニーズ・考えなどの情報がいる。事前にこれらをできるだけ集め,会議のときに落とせるように準備するんだ。たとえば,いつまで誰が忙しいのか。この仕事の君との役割分担がどのような形だったら開発部は引き受けてくれるのか。君が開発部に出せる情報として有用なものはないかなど,インセンティブの検討も必要だ。
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坂本: | そうですね。それが,シナリオを作るということなんですね。
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芦屋: | そう。ゴールを決めシナリオを作り,そのとおりに進めれば仕事が早い。当然,紆余曲折を排除し時間を短縮できるから,参加者からも評価される。こんなことを何回か繰り返せば,君は確実に「調整が上手い」ということになる。そうなれば,開発部からも信頼され,君の影響力も向上するんだ。関係が改善されるんだよ。
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