• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

  • PR

嶋正利のプロセッサ温故知新

時代を切り拓いた技術とシステム構築技術の進展 (5)

WWW(World Wide Web)とJava言語により「インターネットと言語の時代」が到来

嶋 正利=ITpro Watcher 2007/04/03 ITpro

 1991年に開発されたWWW(World Wide Web)と,1990年に開発がスタートしたプラットフォームに依存しないJava言語により,「インターネットと言語の時代」が到来した。キーワードは,インターネット,情報技術(IT)産業,オープン・システム経営/オープン・ネットワーク経営となった。1990年代後半から,マイクロプロセッサの高性能化競争が激化し,マルチメディア命令も搭載され,マルチメディア時代が開花した。また,並列処理向けクラスタ・ビジネスが立ち上がり,ダウンサイジングに平行して,アップサイジングの時代が始まった。

 インターネットが起爆剤となり,情報と通信の技術(IT技術)に関連するIT産業が急速に立ち上がった。特に,デジタル化された携帯電話は,IT技術とマルチメディア技術を融合し,驚異的に成長した。IT革命の基本はオープンなシステム経営と“時間の価値(Value of Time)”である。経営,開発,製造,販売,物流,支払いなどにおいて,明るく,透明性があり,開かれたオープン・ネットワーク経営を基本方針に据え,自社の中核ビジネスに資源を集中投入し,戦略的提携と創造的な改革を図り,IT機器を駆使し,ドッグイヤーと言われるほどに,無駄を省き,時間を有効に効率的に使うことが成功への鍵となった。

 ただし,ITは道具にしかすぎない。これからは,研究,開発,製品,製造,販売,保守,サービスなどに,驚くほど微妙で精緻な感性を生かしつつ,他社との創造的な差別化をしないと淘汰されてしまう時代となった。また,本物の技術には表層的ではなく思想を持った真の感性が必須である。品格があり良質の感性を持った技術者を見つけることが成功への道のひとつである。品格と感性は読書と美術館めぐりと仕事で養われる。

 私の経験だが,Java言語はオブジェクト指向言語として,マイクロプロセッサのシステム・モデルを表現し易い言語である。アブストクラト文を使ってマイクロプロセッサで使用するプログラム・カウンタやレジスタ・ファイルや演算器などのリソースを定義し,本文で,それらのリソースを使ってマイクロプロセッサのモデリングを行う。説明し易く,分かり易く,かつ標準化し易いモデリング手法であった。

 1990年代は,マイクロプロセッサにとって競争と飛躍の時代だった。コンピュータに使われた性能向上技術が,改良を施され,マイクロプロセッサに次々と導入され,高性能化への競争が激化した。マイクロプロセッサの性能向上技術には,動作周波数,システムバス,キャッシュ,スーパーパイプライン,スーパースカラ,分岐予測,リオーダー,リザベーション・ステーション,レジスタ・リネーム,アウト・オブ・オーダーなどがある(電子情報通信学会のサイトの「マイクロプロセッサの25年」のページ)。

 また,1990年代後半に,マルチメディアに特化したメディア・プロセッサが開発された。続いて,マルチメディア命令を搭載した高性能マイクロプロセッサが開発され,マルチメディア時代が開花していった。

 どのような市場にどのような製品を開発するかが重要であって,その実現方法は自由であるべき時代となった。ただし,蓄積した技術があるという前提である。日本の良いところは,外国でブームになると何にでも興味を示し一旦は受け入れることである。しかし,ブームが過ぎ去ると見向きもしなくなる悪い癖がある。困ったことである。技術は蓄積・継承していかないと本物にはならない。

 コンピュータ開発技術者であれば,今では誰もが知っているマイクロプロセッサに関連する技術として2つの例がある。SIMD(Single Instruction Multiple Data:1つの命令で4つまたは8つの異なるデータを同時に演算可能な命令アーキテクチャ)とPLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)である。SIMDアーキテクチャは高性能マイクロプロセッサのマルチメディア命令の実装に,PLL回路は数百MHz以上で回路を動かすのに使われている。米国においては,それらの技術は,大学に温存されていて,Pentiumシリーズなどの高性能マイクロプロセッサの開発時に大いに役に立った。技術は一度捨ててしまうと継承できない。コンピュータに関して,日本の大学が何を捨ててしまったかを考えて欲しい。

 FIT2006 第5回情報科学技術フォーラムの記念パネル討論において日本のマイクロプロセッサの開発技術者が強調した,“OSやコンパイラを含めたソフトウエアを作る技術が非常に重要になり,我々もシリコンでいろんなものを作りがいがある”という言葉や“若い人はぜひ興味の範囲を広げていただいて,知識をつけて活躍していただきたいですね”という言葉を思い出して欲しい。

 1981年からの約20年間は,巨大化したコンピュータからパソコンとワークステーションへのダウンサイジングの時代であった。しかし,1990年代後半になると,パソコンを構成する部品のコストが急激に下がり,Linux OSの普及もあって,多くのパソコンを高速LANでつなげた高性能クラスタシステムのビジネスが始まり,ダウンサイジングに平行して,アップサイジングの時代に入った。64ビットのマイクロプロセッサの登場と,2006年10月にマイクロソフトからクラスタ向けOSであるWindows Compute Cluster Server 2003の販売開始により(関連記事),アップサイジングの時代が加速されるだろう。(続く)

あなたにお薦め

連載新着

連載目次を見る

今のおすすめ記事

ITpro SPECIALPR

What’s New!

経営

アプリケーション/DB/ミドルウエア

クラウド

運用管理

設計/開発

サーバー/ストレージ

クライアント/OA機器

ネットワーク/通信サービス

セキュリティ

もっと見る