前回のデータが消えた話には、たくさんのコメントをいただききました。ありがとうございます。いただいたご意見や経験をもとに、より強固なバックアップシステムを作りたいと思っています。

 さて今回は、無線LANのプロジェクト「FON」を使ってみた結果をご報告します。FONは、ユーザーがアクセスポイントを設置してみんなで無線LANを利用できるようにしようというサービスです。最近では利用できる場所が増えてきました。FONのアクセスポイントを数えている大学の友人によると、日本全体で5000個程度のアクセスポイントが稼働しており、さらに一日数十個ずつ増えているそうです(参考)。やはり、ユーザーが設置するという形態がよいのではないかと思います。私も数カ所にアクセスポイントを設置しています。

写真1●FONのアクセスポイントを探すサイト「Simple FON Maps」
写真1●FONのアクセスポイントを探すサイト「Simple FON Maps」  つくば市にはアクセスポイントが数多くある。
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 早速、ノートPCを持ってファミレスでFONを使ってみました。最近はFONを使えるファミレスが増えてきました。何の問題もなく、通常の無線LANと同じようにインターネットに接続できました。どこにFONのアクセスポイントがあるかは、「FON Maps」で確認できます。ただしこのサイトは表示が遅くて使いにくいので、私は先ほど紹介した友人が作ったサイト「Simple FON Maps」(写真1)を愛用しています。ここはFON Mapsの処理を最適化して、動作を軽くしたサイトです。このSimple FON Mpasで茨城県南部を見ると、つくば市周辺にアクセスポイントが集中しています(つくば市の状況)。さすがつくば市ですね。

 最近私は、距離が近いファミレスよりも、サイトでFONが使えると確認できたファミレスに行くようになりました(写真2)。FONがすごいのは、よく行くお店をFON対応にできることです。お店の近くに住んでいる友人にアクセスポイントを置くように勧めればよいのです。

写真2●会社のミーティングもFONが使えるファミレスで
写真2●会社のミーティングもFONが使えるファミレスで  みんなでノートパソコンを使っている光景は異様かも。
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 さて、今度はFONのアクセスポイント経由でSkypeを使ってみました。普通の無線LANと同じように通話できました。FONではユーザー認証などの処理が入るため、音質が悪くなるのではないかと思いましたが、問題ないようです。ちなみにSkypeの音質を左右するのは、回線速度よりも相手に届くまでの遅延(レイテンシー)です。FONのアクセスポイントでは利用する回線速度を設定できますが、この速度はSkypeの音質にはあまり影響がありません。速度よりもむしろ、遅延が大きいとか、遅延時間が一定でない方が音質が落ちます。

 次に、以前紹介したロジテックのSkype端末(参考記事:「ついに登場! Skype専用ハードウエア」)を使ってみました。携帯電話のように持ち歩ける端末なので、FONのアクセスポイントと組み合わて使えると便利そうです。しかし残念なことに、接続処理中に「無線LANインターネットを確立できません」という表示が出てつながりませんでした(写真3)。

写真3●ロジテックのSkype端末の画面
写真3●ロジテックのSkype端末の画面  エラーが出てFONのアクセスポイントにつながらない。
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 ロジテックのサイトのQ&Aを見ると、「ブラウザ機能は搭載されていないため、無線接続後にブラウザ上での作業が必要な公衆無線LANサービスはご使用いただけません」とありました。FONではブラウザからIDとパスワードを入力しないと使えないので、つながらなかったのではないかと思います。

 FONはSkype社の出資を受けているプロジェクトです。今後このようなSkype専用端末でもFONで簡単に利用できるようにしてくれるのではないかと期待しています。