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バックアップしていても消えた5万行のプログラムこの連載の原稿はいつも遅れてITpro編集部の方にご迷惑をおかけしていますが、今回はさらに遅れてしまいました。その理由は、私のPCが壊れたせいで情報が消えてしまったためです。無線LAN「FON」のレビューをする予定でしたが、これは先に送ってバックアップについてお話ししたいと思います。
私は、大学院生としての研究と、会社の仕事や、個人で受けた仕事をしています。このうち、研究などのデータ、会社のデータは、それぞれのサーバーのRAID装置やテープバックアップ装置などで守られているため安全です。ところが、個人のデータはこうはいきません。 RAIDやテープなどのバックアップ装置は、個人で買って動かすには高価です。そんなにお金はかけられません。そこで、ソフトウエアでバックアップする方法を考えました。ソフトウエア開発でよく使われるバージョン管理システムを利用するのです。 バージョン管理システムとはファイルの最新版を管理するソフトで、どれが最新版なのか、いつ、誰が更新したのかがひと目でわかります。複数人でソフトウエア開発をしていると、各人がプログラムを変更しているうちに最新版がわからなくなりますが、このソフトを使えばこうした混乱を防げます。 私はプログラム以外のファイルでもバージョン管理システムを利用してみました。いくつものデスクトップPCやノートPCで作業することが多く、ファイルをコピーして別のPCで編集していると、どちらが新しいファイルなのかわからなくて困っていたからです。 2重のバックアップでも安心は禁物!?具体的な作業方法はこんな感じです。この原稿を編集している時点で、この文書ファイルはバージョン1.2です。原稿を書く作業をした後は、この原稿をバージョン管理システムに登録します。するとシステムは、新しいバージョン番号をつけて覚えていてくれます。後で別のPCで原稿の続きを書くときには、最新バージョンをシステムから取り出し、作業終了後にまた次のバージョンを登録します。この作業を私はボタン一つでできるように設定しています。 この作業をすると、同時にバックアップもできます。最新版のファイルが、バージョン管理システムを入れたPCと作業したPCの両方に残るからです。この作業を続けていれば、データが消失することはないはずです。しかし、今回は不運が重なりました。 まず、ノートPCの不調が起こりました。ノートPCには仕事や研究のデータのほか、電車の待ち時間などに書いていた個人的に遊びで作ったおもちゃプログラム、そのうち必要になると思われる新しい手法を試したプログラムなどを入れていました。残念ながら、PCの不調によってこれらは取り出せなくなってしまいました。 でも、同じデータはバージョン管理システム上にあるので、大丈夫だと安心していました。ところが、ノートPCが修理から戻ってくる前に、バージョン管理システムを入れたハードディスクがクラッシュしてしまったのです。 今回のことで、2カ所に保存していても両方同時に壊れてしまう場合があり、2重では安心できないと実感しました。消えたプログラムは去年から約1年分で、約5万行になります。とても痛い失敗でしたが、勉強になりました。今度からは、定期的にDVDに書き込むなど、もっとしっかりバックアップを取る方法を考えようと思っています。 連載新着記事一覧へ >>
著者プロフィールSkypeまとめサイトSkypeやろうぜ」の管理人。プログラマの観点からSkypeを解説し,新しい使い方を提案している。Skypeの技術を解説した『入門 Skypeの仕組み』(日経BP社刊)の著者。筑波大学の学生で,4月からは大学院に進学。サークル活動をしたり,学生ベンチャー「ソフトイーサ」の副社長を務めたりとドタバタな大学生活を楽しんできた。この記事へのコメントはSkypeやろうぜ内のページでも受け付けています。また,このITproWatcherへの連載のきっかけとなった連載記事『Weekend Special』(2006年1月13日から毎週金曜日更新)のバックナンバーはこちらへどうぞ。 |