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知っておきたい!システム障害時に使う英語
年の瀬も迫ってきました。クリスマスへのカウントダウンも始まりましたね。今年は電飾が流行りなのでしょうか,家々の飾りつけが例年よりも賑やかなようです。クリスマスショッピング狂想曲を避けるため,早くからプレゼントの買い置きを計画する私ですが,今年も計画倒れ。今になってインターネットで注文するも,「バックオーダー受付中」のメッセージにパニックになっています。 7年前,大晦日を返上して待機していたY2K問題は,もう遙か遠い記憶の彼方に遠のいてしまいましたが,それでも毎年,年末年始は,ソフトウェアの更新,ネットワークの切り替えなど大きな作業が計画されるが故にノンビリできません。
ネットワークのダウンは“Outage”さて,GWや年末年始など多くの人々が連休を謳歌する時に限ってシステムの「障害」が発生し,ITプロの皆さんは呼び出しを喰らうことが多いのではありませんか?しかも大きな障害では2次サポートが必要となり,エスカレーションさせて,ハードウェア・メーカーやソフト開発担当チームまで巻き込むケースもよくありますよね。 そこで今回は,太平洋を挟んだエンジニア同士が,少しでも意思疎通を円滑に行うためのヒントとなる英語表現をまとめてみたいと思います。 「障害」を手元の和英辞典で引いてみると,barrier, obstacle, blockという訳しか載っていませんでした。でもITプロにとっては,“event”が適訳なのです。そう,“event log”のイベント。出来事という意味ですよね。もし“event”が思い浮かばなければ“problem”でも通じます。
「障害」の一般的翻訳: barrier, obstacle, block 開発環境や試験/評価環境でのダウンは「障害」とは言いません。本番環境,商用環境での問題のことを「障害」と言います。よって“An event in the production network”とか“An event in the commercial environment”とか言わなくても,“An event”で事足ります。 本番環境,商用環境: the production network, commercial network ネットワーク障害が発生し「通信が切れてしまった」というニュアンスをうまく出すには,“Outage”が適訳です。“Service outage”,“Network outage”と言えば,「サービスが止まった」「ネットワークがダウンした」という意味になります。“Power outage”と言えば「停電した」ということです。“Disconnect”だとうまく通じません。 「ダウンじゃ通じないんですか?」という質問が出てきそうですね。“System down”と名詞として使うと通じないことはないですが,アメリカ人にはあまりピンとこないかもしれません。“The system is down”“The network is down”と形容詞として使うと英語らしくなります。 障害通知が入ってきたら,まず問題の切り分けをして,ハードウェアの故障なのか,ソフトウェアの問題なのかを判断しますね。これを次のように言います。 First, we have to troubleshoot to isolate the problem この場合,“troubleshoot”は動詞です。 ハードウェアの故障で,目で見てすぐに壊れている不良個所を見つけられることがあります。この場合は次のような英語を使います。
目視検査: visual inspection
ちなみに,搬入,開梱,設置して初めての電源投入で起動しない場合は“Dead on Arrival(DoA)”とよく言います。「到着時に死んでいた」という意味で,救急車で搬送された重傷者が病院に到着した時には既に死亡していた,という使い方が語源です。設置後30日以内(メーカーによっては60日や90日以内の場合もある)の不具合や故障は,初期不良として設計や製造工程に係わる「品質」の問題であり,「信頼性」の問題とは区別しています。
品質: quality “bug(バグ)”といえばソフトウェアの問題を指しますが,“defect(不良,不具合)”といえばハードとソフトの両方に使えます。 “defective part”や“defective component”はハードウェア故障であり,交換(replacement)されます。このような部品は“Field Replaceable Unit;FRU(フルー)”と呼ばれることもあります。不具合品は返品して故障解析するとともに,修理してもらいます。返品する時は通常RMAという返品承認をもらってから返送します。
修理: repair, rework, refurbish “Repair”は文字通り壊れた物を修理すること。“Rework”は,壊れてはいないかもしれないが不具合があるので加工し直して良品にするという語感があります。“Refurbish”は「新装」というニュアンスで,古くなったものを手直ししてまた新たに使えるようにするという意味です。中古市場で販売されているPCはさながら“Refurbished PC”でしょう。 障害の原因で,一番てこずるのが再現しないタイプ。再現してバグだということが分かれば直してもらえる(maintenance releaseのリリースになる)のです。
商用環境で運用中に発見されたバグ: Customer found defect (CFD) 再現しないと,ソフト開発者達は“It's not a bug, it's a feature!”と冗談を飛ばすのです。 次回もまた,バグDBについて考えていきます。
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著者プロフィール臨床医学を目指し、単身アメリカへ渡米。85年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)小児精神科看護修士課程を卒業するも、運命の糸に導かれ、会議通訳の道へ。政府間交渉や官公庁をはじめ、主にIT業界において20年にわたり会議通訳を務める。「自然で専門的レベルが高い」通訳にはファンも多い。2003年にグレースコンサルティング設立。業務/経営コンサルティングへ守備範囲を広げる。名古屋大学大学院地球科学学科非常勤講師。 |