「Gmailの危険な部分について考える」というタイトルを付けましたが、別にGmailに限った話ではなく、これから記す行動パターンに合致する場合は、どんな無償サービスを利用しても同様に危険かと思います。

危険その1: 会社のメールを無条件にGmailに自動転送するという行為

私の知り合いには、会社に届くメールを無条件にGmailに自動転送している人が大勢います。私の周りだけかと思ってネットで検索してみると、同様のことをしている人は結構多いようです。これは、いつどこからでも会社のメールを見たいというニーズや、Gmailの優れたスパムフィルタリング機能の恩恵を受けたいという理由からと思われます。

しかし考えてみると、会社に届くメールには機密情報が含まれているかもしれません。そのようなメールを、何か問題が発生した場合にほとんど何も補償されない、他社が管理しているサーバに、無条件に転送してしまってもよいのでしょうか。情報漏洩が企業に壊滅的なダメージを与えかねないこの時代において、自殺行為と言えなくもないです。

・・・と書くと、それでは会社がISPなどが提供しているメールアウトソーシングサービスを受けている場合も同じではないか、という指摘を受けそうです。確かに、他社にデータを委ねるという行為そのものについては、不安要素はありそうです。しかし有償サービスと無償サービスでは契約や補償の重みが違うということや、そのメールサーバをメインとして使うのと、メールのコピーを無条件に自動転送するということとは、危険性が桁外れ、と考えるのが合理的に思います。

危険その2:一度使い始めるとやめられない

メールを全てGmailで管理するようになると、他の環境に移るのが困難になります。とりわけ全てのメールをGmailに集約しているような人は、他の環境に移るのが困難なので、結果的に、将来に渡りGmailを使い続けることになるかと思います。将来Gmailがどのようになっていくのかわかりませんが、そのようなリスクを背負っていることを、多くの利用者は残念ながらあまり気づいていないようです。

・・・と書くと、Gmailは所詮、複数のメールアカウントから転送されてくるメール群のコピーでしかないので、Gmailのアカウントを捨てれば済むことだ、という指摘を受けそうです。そこで私の周りにいる、実際にGmailアカウントを捨てようとした人の話をご紹介しましょう。その方によると、Gmailだけを使い続けている間、元のメールアドレスのメールボックスを一切整理しなかったとのこと。その結果、もはやメールボックス内は無法地帯となっており、今更それらを整理するのに割く時間がもったいないということで、結局現在もGmailを使い続けております。これは極端な例かもしれませんが、たしかにあり得なくない話ではあります。

と、今回ネガティブな内容を記しましたが、便利なツールは危険性を十分理解した上で上手に使いこなしましょう、ということで、あえてGmailの危険な部分について考えてみました。それでは、今日もイキイキ頑張りましょう。