皆さんはデザイナーと一緒に仕事をする場合,どんなデザイナーと一緒に仕事をしたらよいのか,不安に思ったことはありませんか?

 最近ですと,プログラマとグラフィックデザイナーとの組み合わせのWebの仕事が多いでしょう。では,グラフィックデザイナーとWebデザイナーとはどこが違うのでしょうか。

 Webの仕事は細分化されているので,様々な仕事のやり方が存在します。一概には言えませんが,WebのHTMLの知識を持っているだけではデザイナーとは呼べず,オペレータでしょう。デザイナーは,あくまでも問題を解決する方法として,造形的な要素,ビジュアル的な手法を用い,形をクリエートする職業です。どんなにかっこ良くても,問題を解決できないのであれば,それはデザイナーの仕事ではなく,ビジュアリスト(アーチスト)の仕事です。HTMLをはじめとするスキルを持ち,グラフィックデザインもキチンんとわかっている人のことをWebデザイナーと呼んでいいと思います。

 では,良いデザイナーを見分けるには,どうしたらいいでしょうか。いくつかポイントを挙げてみましょう。

■ デザインの本質を認識しているか
 ぜひ,デザイナー自身の個人サイトを見てください。やはりデザイナーだけあって,かっこいいと思われるかもしれません。しかし造形のセンスだけではデザイナーとしては不十分です。問題を解決できるデザインこそ良いデザインであり,そのスキルを持っているかどうかが重要です。

■ 造形センスはあるか
 もちろん,美しいデザインを作れないのであれば,それはダメなデザイナーです。論外です。

■ 実績があるか
 良い仕事をするデザイナーは,放っておかれることがありません。様々な仕事が舞い込みます。メジャーなサイトを手がけた経験があれば,様々な修羅場も見てきたことでしょう。

■ 専門家として頼りになるか
 勉強不足,知識不足はないか,様々なケースを想定し,アドバイスやコンサルティングをしてもらえるか,多くの経験をしているかなどプロとして頼れるかどうかは大切です。

■ 社会人として,ビジネスマンとしてきちんとしているか
 デザインが良くても,普通に話ができない,約束を守らない。「ありがとう」と「ごめんなさい」をごまかさないで言えない――こんなデザイナーであればストレスがたまります。コスト感覚,ビジネス・センスを持ち,デザイン業はサービス業だと認識しているかどうかも大切です。仕事は気持ちよくしたいですよね。コミュニケーション能力の低いデザイナーが,クライアントの代弁者として社会とコミュニケーションなどができるわけないのです。

■ 責任感があるか
 サラリーマンは最終的に会社が責任を取ります。担当者の上司が謝りにきたり,社長の名前で詫び状が来たりします。しかし,独立しているデザイナーは責任がすべて自分の肩にかかっています。その覚悟を感じられるでしょうか。責任感のあるデザイナーは,プロジェクトに取り組む真剣さが違います。

■ デザイン年鑑,デザイン賞,デザイン団体に属しているか
 一匹狼のクリエーターと言えば聞こえは良いですが,デザイナーはアーチストではないのです。社会に認められ,作品も紹介されるような,評価を受けるデザイナーであるかどうかも重要なポイントです。しかし,デザイン賞を取るために仕事をしている「デザイン村」の住人には気をつけてください。デザイン賞とは大方が造形表現に対する評価であって,いかにクライアントのビジネスに貢献したかなどということは一切評価基準に入っていないのですから。

■ 安かろう悪かろうは結構あるケース
 予算もあるでしょうが,デザイン代が安くてよかったと思っているとひどい目に遭うことも少なくありません。なぜ安いのか,その理由を考えてみてください。あくまでも一般論ですが,仕事が来ないから安くしているのかもしれません。デザイン代の安さは,自社で工場を持っているからラーメン一杯380円で提供できます,という安さとは違うのです。

 デザインという仕事は,そこに商品があって,それを見たうえで購入しようかどうしようかを検討できるものではありません。新しいプロジェクトで何も比較対象がないとき,付き合いのないデザイナーに依頼するのは不安に思うでしょう。

 そんなとき,よく行われるのが競合コンペという方法です。しかし,コンペの作品を見るだけではデザイナーの良し悪しはわかりません。コンペの作品も大切ですが,上記のポイントを押さえたうえで,デザイナーの話を直接聞いてみることが必要だと思います。


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