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芦屋広太一つ上のヒューマンマネジメント

「返報性と認知的不協和」

芦屋 広太=ITpro Watcher 2006/05/31 ITpro

 大きな組織、多くの人員を使うシステム開発プロジェクトでは、人をコントロールすることがかかせません。そして、ヒューマンコントロールを上手く行う上では、「返報性」と「認知的不協和」の考えは非常に重要になります。2つとも心理学の世界の言葉ですが、ビジネス活動に関連するものとして広く広まっている考え方です。

返報性の法則

 「人は他人から報酬・メリットを受けると、何とかその人にお返しをしないと済まない感情に支配される」という考えを「返報性の法則」と呼びます。ここでいう、報酬・メリットには、金銭・物品など物理的なものだけでなく、「褒める」、「好意をもつ」などの一見ささいに思える抽象的なものも含まれます。

 この中で、「相手に好意をもつと相手からも好意を持たれる」という法則を「好意の返報性」と呼び、交渉や説得術ではネゴシエーターの大事な基本スタンスとなっています。逆に悪意を持ったり、嫌ったりすると相手から同様の感情をもたれるということを「悪意の返報性」と呼びます。

マネジメントと返報性

 ここで重要なのは、人間の感情はミラー(鏡)であるということです。プロジェクトを失敗させるPMのスキル分析をしてみると、人間性が劣っていたり、幼い、未熟な場合が多くあります。彼・彼女らは、プロジェクトが上手くいかなくなると、無意識に他人に原因を求めるような行動を取ってしまうのです。

 自分の責任を棚に上げ、周囲(特に部下・メンバー)を詰め、周囲に悪意を増幅させていくのです。この結果、早ければ数日、遅くとも数週間で「悪意の返報」が完了し、プロジェクトの雰囲気は最悪、士気は地を這います。

 知識や技術レベルが高いというのは、関係ありません。プロジェクトは人の塊ですので、ひとたび雰囲気が悪くなれば、もはや赤字を垂れ流すか、人を代える以外にプロジェクトをやり遂げる方法はありません。

悪意の返報を止めるためには?

 さて、悪意が満ちたプロジェクトを正常化させるためにはどうしたらよいでしょうか?

 士気が落ちたプロジェクトでは、メンバーは仕事をいい加減に行うようになります。これを嫌われたPMが叱責し、悪意を強めるので、メンバーもそれに応じて悪意を持つようになります。いわゆる、負のスパイラルになり、何か手を打たないと理論上はいつまでも負のスパイラルは続くことになります。

 最初は「気に入らない」という感情から「嫌い」、「不信」という感情になり、「大嫌い」、「憎しみ」、「憎悪」という感情になっていくのです。

認知的不協和

 人は、ある好ましくない状態を「認知」した場合、非常に「不安」、「気持ちの悪い」、「落ち着かない」状態・・・「不協和」に陥ります。この状態を「認知的不協和」と呼びます。認知的不協和に陥った人は、その「不協和状態」を「協和」状態にしようと行動するのです。

 たとえば、喫煙者が、健康診断時に医者から「肺が汚れている、タバコが原因である」と言われたとしましょう。いままで、そういうことを認知していなかったのですが、医者に言われて「認知」してしまったのです。

 そして、葛藤が始まります。健康に悪い、金もかかる、いろいろ考えるわけです。そして、「禁煙する」行為をすれば、認知的不協和は解消され、状態としては安定します。

 しかし、禁煙は選択肢にない人はどうするのでしょうか?不安なままなのでしょうか?

 そうではありません。多くの人は「まだ若いから肺も大丈夫」、「税金が多いから国家に貢献している」「俺は、こんなことではタバコをやめない意思が強い人間」という具合に自分を納得させるのです。

 さらに、もっと面白いのは、「あの医者の言っていることは根拠がない」、「あの医者は患者に失礼なことを言う風変わりな人間」と思うような納得の仕方もあります。

 このようなことを「不協和を低減させる行動」と呼びます。これをよく覚えておいてください。

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