Webサイトのデザインでは,ユーザビリティやレイアウト,アイコンのデザインなどがテーマに挙げられますが,サイトのタイトル・デザイン,つまりロゴマークなども実は大切な要素の一つです。企業のホームページであれば,企業のマークが使用される場合が多く,サービス・サイトそのもののシンボルマークが設けられる場合も少なくありません。

 シンボルマークやロゴマークは広告に使用されたり,ほとんどのページに露出してくるもので,文字通りシンボルになるものです。ITproでも,ロゴマークが出てこないページはほとんどないと言っていいでしょう。したがってロゴ・デザインのクオリティが低いものであれば,見られるたびに悪い印象を潜在意識に植え付けてしまうことになりかねません。

リスクを承知でロゴマークを変えた

 ITproでは,リニューアルに際してロゴマークも新しくなりました。以前のマークは赤い球体がシンボルでしたが,青いキューブへと変わりました。赤から青へ,丸から四角へと全く反対のイメージになっています。

 シンボルマークのリニューアルには,二つの方法があります。元のイメージを踏襲する場合と,全くイメージを変えてしまう場合です。全くイメージを変える場合は,リスクが伴います。人が持っているイメージというのは,潜在意識の中に定着すると,そう簡単には変えられません。がらりと変えてしまうということは,一からイメージの定着をやり直すということで,時間とお金のリスクが小さくないのです。これは企業のマークも同じことが言えます。しかし,ITproはあえてリスクをとって,これまでのイメージを捨て去りました。全く新しく生まれ変わろうという編集部の意気込みを感じます。

ロゴマークのデザインは経験者に依頼を

 ロゴのデザインは,経験のあるデザイナーに依頼してください。グラフィックデザイナーといっても範囲が広く,広告専門,編集専門,チラシ専門など,ロゴデザインの経験がないデザイナーもたくさんいます。

 では,どのようなデザイナーに依頼すれば良いのでしょうか。

 そのチェックポイントは,ロゴの年鑑に掲載されているかどうかでしょう。ロゴマークは高度に造形的なセンスが必要とされる仕事です。目が肥えた専門家の審査をパスしたものしか年鑑には掲載されません。賞を取っているのであれば,なおさら良いでしょう。また,タイポグラフィ協会,東京タイポディレクターズクラブなどのデザイン団体に加入しているデザイナーも,文字のデザインに関して意欲を持っていると言えます。

 しかし,そのような優秀なデザイナーは,デザイン料が高いのではとお考えの方もいるかもしれません。確かに,こればかりはピンからキリまでで何とも言えないところです。見積もりを出してもらうしかありません。私なんかは,ロゴマークをつくるのが好きなものですから,仕事によっては採算を考えずに,赤字を出しながら仕事の依頼を受けてしまうこともしばしばで,社員から白い目で見られています。


優秀なデザイナーに依頼しても,選ぶ人のセンスが悪いと,うまくいかないんだよなあ…。
あ,これは私の愚痴です。すみません!