「システム管理者の仕事って面白いの?」とよく聞かれます。言われてみればたしかに深夜作業が多いしトラブルが起こると深夜休日関係なく呼び出されたりするのでととても酷な仕事に見えたりもします。でも個人的にはシステム管理者というのは他の仕事にはない面白い仕事の一つだと思っています。どこが?と言われそうですので考えてみました。

※注:システム管理者というと漠然としているので、ここではiDC(データセンター)でサーバ・ネットワーク・DB等の構築・運用を担う技術者と一応定義してみたいと思います。

1. 自分の城という感覚
まずiDCというのは自分の城という感覚があります。自分でサーバを構築して設置して動かす。そんなことをしながらサーバを増やしていく感覚はある種自分の部屋にプラモデルやぬいぐるみを買い増していく感覚に近いと言えます。サーバ大好きという人の大半は皆おそらくこのタイプで、彼らがiDCに行ったきりなかなか帰ってこないのはこのためです。
2. F1のピットワークの感覚
システムはチューニングすればチューニングするほどパフォーマンスやキャパシティが上がることが多いです。サーバの場合はCPU使用率、メモリ使用量、ディスクI/O、そしてTCP/IPコネクション数の4要素が主なチューニング要素になりますが、これら4要素をどこまでチューニングできるのか追求するのは単純に楽しいのであります。多分この感覚、F1で0コンマ数秒のタイムを縮めることに命を懸けているF1のピットワークも同じような感覚なのではないかと思います。
3. RPGの経験値稼ぎの感覚
普通の人であれば「コンピュータは単なる道具。道具に振り回されるのはごめんだ」と考えるようですが、システム管理は面白いと考える人は「何か設定をしたりトラブル対応をしたりすればするほどノウハウになる」と考えます。ノウハウになるという言い方だとわかりにくいですかね。「RPGの経験値稼ぎをしているようなものだ」と言い換えるとわかってもらえるでしょうか。大きなトラブルを解決すると「そろそろ次のレベルが上がったかな?」なんて思ってしまいます。

 というわけでシステム管理者という仕事はある種男の趣味の感覚に近いものがあり、システム管理者の仕事がなぜ面白いのか理解されなくても当然な部分はたしかにあります。が、一度ハマってしまうとなかなか抜けられない魅惑の職業とも言えますので要注意です。