今年は、さぞかし年賀ブログのご案内がたくさん届くかと思って期待しておりました。特に企業経営者やキーマンが、年賀ブログを活用するだろうと予想したのです。
年賀ブログがおすすめな理由
なぜなら、年賀ブログの方が、年賀状や年賀メールよりも、効率的で効果的な点が多々あるからです。年賀状のように紙もコストもかけずに済む上、スペースに縛られずに、より多くの情報を伝えることができます。
年賀メールと比べても、画像やリンクをスマートに駆使することで、より直感的でわかりやすく伝えることができます。印刷やワープロ印字で済ます機械的な年賀ハガキや、文字ばかりが並びがちな年賀メールよりも、人のぬくもりが伝わるかもしれません。
何より大切なことは、年賀ブログはまだまだ珍しいので、年賀状や年賀メールのように受信箱の中で埋もれることがなく、捨てようにも捨てられないことです。その上、年賀ブログも、過去ログの一つとして半ば永久保存されますから、検索エンジン経由で再発見してもらえることもあるでしょう。
そんな優れた効用の数々にいち早く気づいた社長も多いようで、新年のあいさつにブログを活用した社長の数は、予想を超えるものでしたた。
GMOインターネット社長熊谷正寿さんの年賀ブログ
試しに、Googleで「2006 新年 ブログ 社長」というキーワード検索をしてみましたら、約 1,040,000 件もヒットいたしました。
その筆頭に表示されましたのは、さすがというべきか、GMOインターネット社長熊谷正寿さんのブログ【クマガイコム】でした。その内容も見事というしかありません。
熊谷社長は、今や本業のインターネット関連事業のみならず、ご自身も実践されている「夢手帳」の活用と普及でも知られています。その自らの成功哲学と重ね合わせて、一年の計は元旦にあり....どころか、こんな驚くべき事が書かれています。
「一般的には、今年一年間の夢や目標を正月に作られる方が多いですよね。僕は、長期間(現在は55年間)の夢・目標を今から8年程前(1998年)に作ってしまったので、正月に改めて「今年の」夢・目標を作るということはしません。正月には長期の夢・目標の進捗の確認や重点目標の微調整を行うだけなんです。」
この年賀ブログを読めば、熊谷社長のファンになって、著書やブログを読みたくなる人、夢手帳を付けたくなる人が増えるでしょう。さらに、文末には会社のホームページや事業戦略へのリンクがスマートに添えられています。つまり、さりげなく事業のPR・IR活動にもなっているわけです。公私のバランスが取れて、社長も企業も魅力的に魅せる。そんな年賀ブログのお手本になるでしょう。
ムラウチドットコム社長 村内伸弘さんの年賀ブログ
今度は、「平成18年 新年 ブログ 社長」と検索してみましたら、約11万9000 件がヒットしました。筆頭は、家電量販店ムラウチドットコム社長村内伸弘さんの日記「ムラウチの社長ブログ」でした。こちらも年賀ブログの写真や文面を見ただけで、村内社長の人なっつこそうなキャラクターとあきんど魂が伝わってきます。
例えば「みなさまのお陰で、僕たちは商売をさせて頂けております」というフレーズは、年賀状よりも、語り口調のブログで伝えられる方が自然ですし、イラスト共々あたたかみが感じられるでしょう。また「大切なお客様、お取引先様、株主様 そしてブロガーのみなさん 旧年中は誠にありがとうございました」と、ステークホルダーに「ブロガーのみなさん」が入っているのが印象的でした。村内社長は、既にブロガー経由の自然発生的なネットコミのありがたさを実感していらっしゃるのでしょう。
Jストリーム社長 白石清さんの年賀ブログ
さて、意外にも大穴だったキーワードは「年賀ブログ」でした。まだ150件しかヒットしませんので、来年は題名に「年賀ブログ」と入れる価値がありそうです。
その中で、ひときわ光っていたのは、Jストリーム社長白石清さんの年賀ブログでした。同社は、今後ますます盛んになるであろう動画配信を担う企業ですが、お年賀ブログも、さすが動画でのごあいさつです。ブログというと日記と決め付けてかかっている人がいらっしゃったら、ぜひ白石さんの「年頭テレビ挨拶」をご覧になってください。
この動画を見て、ブログが手紙やメールどころかテレビにも取って代わる予感をおぼえたのは、決して私だけではないはずです。動画も気軽にネットで流せるとなったら、今回のような礼儀正しいご挨拶の他にも、ジャパネットたかた風の新春テレビ特売や、工場や店舗からの現場ルポルタージュなど、さまざなまな年賀ブログが考えられるでしょう。
私が書いた3つの年賀ブログ
それでは、私自身は、どんな年賀ブログを書いたのか。3つの素敵な事例の前では、少々恥ずかしいのですが....新年から始めた経営者会報ブログに「2006年お年賀ブログ:7つの改革+協働開始宣言」という記事を書きました。
私はマジカルナンバー・オブ・セブンに敬意を表しつつ、日経パソコンのリレーコラム「焦点」の連載で、毎回、様々なテーマの要点を7つにまとめています。そこで、年賀ブログでも、今年のTO DOを公私織り交ぜながら、7つに絞り込んでみました。さらに、iTunes試し聴きの機能を使ったBGMも添えてみましたがいかがでしょうか?
この仕事がらみのお固い年賀ブログの他にも、日本財団CANPANブログには「植田正治.岡本太郎そして日本の子どもたちの視線で熱くなる」という新春記事を、楽天ブログには「麻布亭LINOで七草粥と薬膳カレー・自宅でカレーうどんにboursinと麦チョコ」という新春記事を書きました。
そして、日経ベンチャー経営者クラブの連載メールコラム「経営よもやま話」で3つのブログをご紹介しましたら.....意外というか当然というべきか、カレーに麦チョコを入れる話が一番反響が大きかったのです。嬉しいような悲しいような。これもブログという、半ば私的なメディアの特性かもしれません。