Second Lifeのイメージを入り口に配したIBMブース
Second Lifeのイメージを入り口に配したIBMブース
[画像のクリックで拡大表示]
仮想店舗の玄関。行きたいフロアをここで選ぶ
仮想店舗の玄関。行きたいフロアをここで選ぶ
[画像のクリックで拡大表示]
ほしいテレビの裏に回り込めるのも、場所の制限がないからこそ
ほしいテレビの裏に回り込めるのも、場所の制限がないからこそ
[画像のクリックで拡大表示]
冷蔵庫の前に立つアバター。実際に扉を開けることも可能
冷蔵庫の前に立つアバター。実際に扉を開けることも可能
[画像のクリックで拡大表示]

 2007年1月8日(現地時間)から米ラスベガスで開催中の「2007 International CES」には、米IBMが10年ぶりにブースを設けている。マイクロプロセッサ「Cell」や自動翻訳技術などが展示されているが、最も広いスペースを使っているのが「Second Life」のデモコーナーだ。

 Second Lifeは、米リンデンラボが開発する3次元の仮想空間。米国などでは急激にユーザーを増やしている。IBMはこのSecond Lifeに独自の島を持っている。また先日、米国の量販店「Sears」と共同で仮想的な店舗を開設したばかり。CESでは、この店舗内をアバター(自分の分身となるキャラクター)が歩き回る様子をデモしている。

 IBMがSecond Lifeに力を入れるのは、Second Lifeのような3次元の仮想空間が、今後の強力なビジネスツールになりうると考えているためだ。仮想店舗は、その実例を具体的に示すための題材。例えば仮想店舗には「空間の制限をなくせる」(説明員)というメリットがある。実際の店舗では展示できる商品に限りがあるし、自分のほしい商品が常に手の届く位置にあるとは限らない。「Second Lifeならスペースはいくらでも増やせるので、すべての商品を間近で見られる」(説明員)。

 商品を選ぶためのスペースが足りなければ、ユーザーが自由に増やすことだってできる。自分の家に似た空間を作り、家具や家電製品を実際に置けるのだ。壁やドアの色を変えて、リフォーム後のイメージを見ることも可能になる。

 自分と同じ体型のアバターを利用していれば、その商品が自分の体に合っているか調べるのも簡単。説明員が例に挙げたのは、冷蔵庫の購入時。自分の身長では野菜室の扉が体のどの位置にあるか、といったことを知るには、通常は該当製品の前に立って試してみるしかない。Second Lifeなら、アバターを利用して仮想空間内で扉を開け閉めし、具体的な利用イメージをふくらませられるというわけだ。

 Second Lifeの日本語版サービスは、まもなく始まる見込み。IBMは既に複数の日本企業と話を進めており、「多くが強い興味を示している」(説明員)という。