写真1●iVDR対応のパソコン<br>パソコン本体にHDDを挿し込み、録画した映像を見られる。HDDは80GBや160GBの容量を持つ製品があった。
写真1●iVDR対応のパソコン<br>パソコン本体にHDDを挿し込み、録画した映像を見られる。HDDは80GBや160GBの容量を持つ製品があった。
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写真2●テレビの背面横にHDDを挿し込む
写真2●テレビの背面横にHDDを挿し込む
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 米国ラスベガスで開催中の「2007 International CES」で,「iVDRコンソーシアム」がブースを構え,ハードディスク(HDD)にデジタル・テレビ映像を録画して持ち歩ける「iVDR」対応製品の試作機を出展している。「CESにiVDRコンソーシアムとして出展するのは初めて」(ブースの説明員)で,事実上,iVDR規格の世界デビューとなる。

 iVDRは「Information Versatile Disk for Removable usage」の略で,iVDRコンソーシアムに参加する日立製作所やシャープ,三洋電機などの日本メーカーが中心となって開発を進めている技術。大容量というHDDの特徴を生かし,データ量の大きいHD(High Definition)画質の動画でも大量に録画できる点がセールス・ポイント。

 展示中のiVDR対応製品は,日立マクセルのリムーバブルHDDや日立製作所のプラズマ・テレビ,シャープの液晶テレビなど。

 ユーザーはこれらのテレビにHDDを挿し込み,受信した番組をHDDに保存。その後HDDを取り外し,ほかのiVDRに対応するテレビやカーナビ,パソコンなどに挿し込めば,その機器で番組を再生できる,といった具合だ。家庭内などで無線LANといった通信技術を使って動画を共有する方法よりも,「HDDという目に見えるものを使って持ち運ぶ方がユーザーにとってはわかりやすいのではないか」(説明員)としている。

 iVDRではHDDに保存する動画を「SAFIA」という暗号化技術を用いて保護する。SAFIAによって,ほかのiVDR対応機器へ動画を「移動」させることはできるがコピーはできないようにしている。

 iVDR対応製品は「2007年の春から夏にかけて商品が出てくる」(同)。

 なお,ソニー,東芝,松下電器産業はiVDRコンソーシアムに参加していない。これはiVDRが次世代DVDの競合技術になることを懸念してだと言われている。