米Warner Home Video(WHV)が米国時間1月9日,1枚のディスクで次世代光ディスク規格Blu-ray Disc(BD)およびHD DVDの両フォーマットに対応する光ディスク「Total Hi Def」を発表した。同ディスクは,片面にHD DVD方式,反対面にBD方式で映像データを記録する。

 WHVによると,次世代光ディスクの高精細(HD)映像を見た消費者は画質の素晴らしさを絶賛するが,現時点では異なるフォーマットの板挟みになっており,HD対応プレーヤを買い控えているという。HD対応プレーヤを持っている場合でも,欲しい映像コンテンツかどうかにかかわりなく,購入するコンテンツをフォーマットで選ぶ必要がある。

 こうした状況に対応しようと,WHVは同一の映画タイトルを複数のフォーマットで販売してきた(関連記事)。

 Total Hi Defは1枚のディスクでHD DVDとBDの両方に対応するため,消費者が抱える問題を解決できるという。さらに,WHVは「同一コンテンツを2種類のフォーマットで用意する必要がないため,販売店は陳列スペースを減らせる」としている。

 Total Hi Defディスクの厚さは1.2mmで,DVDやHD DVD,BDと変わらない。各面に1層および2層記録が可能なので,記録容量はHD DVD側が15Gバイトまたは30Gバイト,BD側が25Gバイトまたは50Gバイトとなる。

 WHVの親会社である米Warner Bros.によると,Total Hi Defディスクによる映像コンテンツの販売は2007年下半期に始まる予定。

 なおWarner Bros.は,片面でHD DVDとBDの両方式に対応可能な光ディスク特許を出願したとみられる(関連記事)。

 また韓国のLG Electronicsはネバダ州ラスベガスで開催中の家電製品見本市「2007 International Consumer Electronics Show(CES)」において,HD DVDとBDの両方式に対応するプレーヤ「BH100」とパソコン向けドライブ「GGW-H10N」を発表した(関連記事その1その2)。

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