米Microsoftは2006年12月最終週,「Windows Vista」の自慢のユーザー・インターフェース(UI)「Aero」が速度低下の要因といううわさに反論し,異なる結論の調査結果を示した。Microsoftからの依頼で米Principled Technologiesが実施した調査によると,「Aero UIによるWindows Vistaの速度低下は,ほとんどもしくは全くない」という。速度低下どころか,Aero UIが速度を高めている例もあった。

 MicrosoftのWindowsクライアント・パフォーマンス・グループでプログラム・マネージャを務めるMatt Ayers氏は,新しく立ち上げたブログ「Windows Performance Blog」で,「われわれは(Aero UIによる)新たな視覚効果の効率を可能な限り高めることに相当な努力を傾け,実際に成果を上げた」と書いた。Principled Technologiesが多種多様なマシンの処理速度を計測したこの調査の重要なポイントは,再起動後のWindows VistaはWindows XPよりも反応がよく,全体的には同程度の処理速度であったことだ。Aero UIは,Windows Vistaの応答性にほとんど影響しない。

 著者がこの調査で関心を抱いたのは,計測対象となったパソコンのほとんどが,格別ハイエンドなシステムでなかった点である。Principled Technologiesの試験したのは,ノート・パソコンが1台,デスクトップ・パソコンが3台,タブレットPCが1台だった。デュアルコア・プロセッサを搭載していたのは,そのうち1台だけだ。調査では,各種「Microsoft Office」やサードパーティ製アプリケーションを使用するなど,様々な操作で処理速度を測った。PDF形式の調査報告書「Responsiveness of Windows Vista and Windows XP on common business tasks」(一般的な業務に使う場合のWindows VistaとWindows XPの応答性)は,Principled TechnologiesのWebサイトからダウンロードできる。