基調講演の壇上に立つ米デルのマイケル・デル会長
基調講演の壇上に立つ米デルのマイケル・デル会長
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オンラインでのデータ移行とバックアップのサービスを米国で開始すると発表した
オンラインでのデータ移行とバックアップのサービスを米国で開始すると発表した
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水冷と空冷の2種類の冷却機構を備えるパソコン「XPS 710 H2C」
水冷と空冷の2種類の冷却機構を備えるパソコン「XPS 710 H2C」
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 米デルのマイケル・デル会長は2007年1月9日、米ラスベガスで開催中の「2007 International CES」の基調講演の壇上に立った。講演の中で氏は、ゲームユーザー向けのハイエンドパソコンやディスプレイの新製品を発表。さらに、2007年末には、オンラインでのデータ移行とバックアップのサービスを米国で開始すると宣言した。

 このサービスでは、ユーザーが自分のパソコン環境をバックアップし、それらを同社が運営するサーバーに転送できる。データは暗号によって保護されており、漏えい等の不安はないという。パソコンの故障などによってリストアする必要が生じた場合は、このサーバーにアクセスし、暗証番号を入力する。するとバックアップしておいたデータを書き戻せるという。

 またユニークなのは、デルでパソコンを購入した場合、出荷前にデルがこの作業を済ませるサービスも提供すること。つまりパソコンを買い換えた場合、これまで使っていた環境が移行された状態でパソコンが届くということだ。データのバックアップや移行に関しては、ユーザーからの問い合わせが同社に多く寄せられており、こうしたサービスを用意することにしたという。

 同時に発表された新製品のうち、目玉は最上位機種「XPS 710 H2C」。水冷と空冷の2種類の冷却機構を備えるのが最大の特徴。CPUには、インテルのクアッドコアCPU「Core2 Extreme QX6700」(動作周波数は2.66GHz)を搭載可能。米国価格は5499米ドルからで、世界同時に発売した。日本でも、同時に発表された(関連記事)。同じくハイエンド向けの27型の横長ディスプレイ(価格は1399米ドル)なども発表された。

 また、米国向けに「Home Media Suite」と呼ぶ統合製品も発表。家庭におけるデジタル・エンタテインメントの実現を狙った製品で、デスクトップパソコン「XPS 410」、デジタルテレビチューナー、27型のディスプレイ、スピーカー、プリンター、無線LANルーターなどがセットになっている。Windows Vistaの発売後に出荷開始する予定。

 新製品やサービスの発表と並んで、デル氏は環境保護の重要性も訴えた。「Plant a Tree for Me」と呼ぶ植林プログラムを開始することを宣言した。パソコンを新規に購入するユーザーに対して、ノートパソコン1台あたり2米ドル、デスクトップパソコンは1台あたり6ドルの寄付金を受け付ける。これらを植林にあてることで、二酸化炭素を削減する。米国の同社製パソコンの購入者には同日からこのプログラムを開始し、2007年2月からは、メーカーを問わずパソコンの既存ユーザーすべてを対象とする。2007年4月以降は、全世界のユーザーに対して呼びかけていくという。