米Appleは米国時間1月9日に,セットトップ・ボックス「Apple TV」(開発コード名は「iTV」)を発表した。「iTunes Store」からダウンロードしてパソコンに格納しているビデオ・コンテンツをテレビのワイドスクリーンで再生することが可能。価格は299ドルで,2月に出荷を開始する予定。

 Apple TVは40Gバイトのハード・ディスクを内蔵し,「動画なら最大50時間,音楽なら最大9000曲,写真なら最大2万5000枚を保存できる」(同社)。HD 720pの再生にも対応する。ワイドスクリーン・テレビやホーム・シアターに接続できるほか,HDMI,コンポーネント・ビデオ,アナログ,光オーディオ端子に対応する。

 最大5台のコンピュータからコンテンツをストリーミング可能(オートシンクの場合は1台のみ)。無線LAN規格802.11nをサポートする。

 「Apple TVは21世紀のDVDプレーヤのようなもの。エンターテインメント・システムにつないで動画を視聴できる。ただし,再生するのは実店舗で買ったDVDではなく,インターネットを介して購入したデジタル・コンテンツだ」と,AppleのCEOであるSteve Jobs氏は説明する。「Apple TVは,ユーザーがパソコンや携帯型デジタル・メディア・プレーヤ『iPod』で楽しんでいるのと同じiTunesコンテンツを再生するので,リビングで途中まで見ていた映画の残りをiPodで見るといったことができる」(同氏)

 Apple TVにはリモコン「Apple Remote」が付属する。「iTunes 7」(およびそれ以降)が動作するパソコンが必要。

 またAppleは,802.11nに準拠した新たな「AirPort Extreme」を同日発表した。従来モデルと比べ「性能は最大5倍」(同社Worldwide Product Marketing担当上級バイス・プレジデントのPhilip Schiller氏)。802.11b/gを採用した従来のパソコンもサポートする。ベース・ステーションの価格は179ドルで,2月にリリースする予定。

 さらに同社は,iTunes Storeにおけるダウンロード販売が,音楽20億曲以上,テレビ番組5000万本以上,長編映画130万本以上に達したことを明らかにした。

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[発表資料(2)]
[発表資料(3)]