写真1:米SanDiskが発表した32Gバイトの「Solid State Drive」
写真1:米SanDiskが発表した32Gバイトの「Solid State Drive」
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 米SanDiskは「2007 International CES」において,1.8型ハードディスク・ドライブと同じ形状でパソコンとシリアルATA(SATA)によって接続する,容量32Gバイトのフラッシュ・メモリー「Solid State Drive(SSD)」を発表した(写真1)。今後半年以内に,同製品を搭載したハードディスク・レスのパソコンが登場するとしている。単体での価格は600ドル程度になる模様。

 32Gバイトという大容量SSDの狙いはまさに,ノート・パソコンで使われている1.8型ハードディスクの置き換えだ。SanDiskはノート・パソコンにハードディスクではなくフラッシュ・メモリーを使う利点について,(1)モーターが不要であるなど消費電力が少ない,(2)耐衝撃性が高い,(3)読み出し速度が62Mバイト/秒で,512バイトのデータのランダムな読み出し/書き込み回数が1秒あたり7000回と,ハードディスクの100倍速い---ことなどを挙げている。SSDの平均故障間隔(MTBF,Mean Time Between Failures)は200万時間で,耐久性に関してもハードディスクとそん色ない。

 CESのブースでは実際に,米Dell製のノート・パソコンのハードディスクをSSDに換装して,同モデルの通常のノート・パソコンとWindows Vistaの起動時間を比較するというデモを実施していた。

 このデモは,ただWindows Vistaを起動するだけではなく,Word,Excel,PowerPointを自動的に起動して,それぞれのファイルも開くというものであった。SSDを搭載するパソコンの場合,OSはおよそ35秒で起動し,OS起動直後にすべてのアプリケーションが起動した。それに対して通常のパソコンでは,OSが起動し終わるのに50秒以上かかり,すべてのアプリケーションが起動し終わるまでそれからさらに20秒ほど必要だった。

 特に通常のノート・パソコンでは,OSの起動後にウイルス対策ソフトなどを起動するのに時間がかかっているように見えた。SSDを搭載したノート・パソコンでは,アプリケーションの起動はまさに一瞬だった。また,OSのシャットダウンに必要な時間も,SSD搭載パソコンの方が短かった。「ハードディスクを使っていると,シャットダウンにまで時間がかかり,その分の電力をロスする」とSanDiskの説明員は強調した。