写真1●パイオニアが発表した新プラズマ・パネル・ディスプレイの試作機
写真1●パイオニアが発表した新プラズマ・パネル・ディスプレイの試作機
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写真2●発光素子の最低輝度を80%削減することで,黒色の再現性を高めた
写真2●発光素子の最低輝度を80%削減することで,黒色の再現性を高めた
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 パイオニアは1月7日(米国時間),「2007 International CES」で新技術を搭載したプラズマ・パネル・ディスプレイの新製品を発表した(写真1)。パネルやフィルタ,画像処理プロセッサを新規に開発し,最低輝度を従来よりも80%削減することによって,美しい黒色の再現を実現したという。

 新しいプラズマ・パネル・ディスプレイ技術は1年前から開発を進めてきた。パネルの発光素子の最低輝度を引き下げることによって黒色の再現性を高めたほか(写真2),フィルタ技術を改良してパネル内での反射を抑えることによって,暗いシーンでの色再現性や明るい場所で表示したときの画面の明るさを向上したという。

 パイオニアGeneral ManagerのKen Shinoda氏は「当社では,プラズマ・パネル・ディスプレイが,HD(高解像度)ディスプレイとして最適だと考えている」と述べ,今後もプラズマに経営資源を集中すると強調している。これまでのプラズマ・パネル・ディスプレイは,明るい場所で表示した場合に液晶ディスプレイと比べて暗く見えるため,家庭のリビングよりも明るい量販店の店頭で消費者に比べられた場合に不利だったが,「新しい技術を搭載したプラズマ・パネル・ディスプレイであれば,量販店の店頭でも液晶に劣らない」(パイオニアのShinoda氏)と主張する。

 この新技術搭載のプラズマ・パネル・ディスプレイは,2007年夏の米国市場に投入する予定(価格は未定)。「当初は2008年の北京オリンピックに合わせて製品を投入する考えだったが,1年先倒しで製品を出荷できることになった」(同)と述べている。

 同社ではこのほか,パソコン用Blu-rayドライブの新製品「BDC-202」や,DVDの映像を1080pにアップコンバートして再生するDVDプレーヤ「DV-400V」を発表した。パソコン用Blu-rayドライブであるBDC-202は,BD-ROMの読み出し(5倍速)のほか,DVD-RAM/R/RWなどの書き込み(RAMは5倍速,Rは12倍速,RWは6倍速)に対応したコンボ・ドライブ。2007年第2四半期に,パソコン・メーカー向けに出荷を開始する。価格などは公表していない。