写真1:CES会場の一つ「ラスベガスコンベンションセンター」
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 1月8日から世界最大の家電製品展示会「2007 International CES」が米国ラスベガスで始まる(写真1)。期間は11日までの4日間。CESは今年で40周年を迎える。今回のCESは「HD DVD」「Blu-ray Disc」といった次世代DVDや,「PLAYSTATION 3」(PS3)「Wii」「Xbox 360」などの次世代家庭用ゲーム機の話題が盛り上がる中での開催。出展社数は2700,参加者数は130カ国14万人を見込んでいる。

 恒例になっている基調講演には,米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長や米モトローラのエド・ザンダー会長兼CEO(最高経営責任者),米ウォルト・ディズニーのロバート・アイガー社長兼CEO,米CBSのレスリー・ムーンベス社長兼CEOらが顔を並べる。基調講演以外でもフィンランド・ノキアのオリペッカ・カラスブオ社長兼CEOや米シスコシステムズのジョン・チェンバース社長兼CEOがスピーカーとして登壇。講演者の顔ぶれから考えれば,今年のCESのテーマは「高速無線通信とコンテンツ」だと考えても良さそうだ。

コンテンツ配信の新しい仕組みが重要


写真2:家電市場の伸び
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写真3:2007年はHDテレビへのシフトが本格化すると予測
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写真4:コンテンツ販売・配布の新しい仕組みが重要になる
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 CES開幕に先立つ6日,CESを主催する米CEA(Consumer Electronics Association)のSean Wargoシニア産業アナリストが家電産業の現状と将来予測を説明した。

 同氏によると,2007年の米国家電市場は前年比6.5%の伸びが期待でき,1552億米ドル規模になると見込まれる(写真2)。製品の傾向としては,テレビは高解像度である「HD」(ハイ・ディフニッション)への本格的な移行と,薄型のさらなる拡大が期待できるという(写真3)。同時に,「Atari」から数えて第6世代となるPS3やWiiなどの家庭用ゲーム機にも「HDゲームの時代が訪れる」(Sean Wargo氏)。新機種に沸く2007年は家庭用ゲーム機の市場規模は前年比23.5%増の160億7700万米ドルになると予想している。

 一方,2006年,最も成長した製品は液晶テレビで,出荷額は前年の32億5800万米ドルから160%増(前年比2.6倍)の84億8000万米ドルへと伸長。2番目に成長したのはカーナビで,前年の3億4900万米ドルから154%増の8億8700万米ドルだった。

 また,成長が著しい分野の一つとして取り上げられたのがポータブルMP3プレーヤ。2006年の出荷額は前年から31%増の55億3500万米ドル。MP3プレーヤの最近の特徴はビデオ再生機能を内蔵する製品が増加していることで,2005年は出荷台数の14%が,2006年は同39%がビデオ再生に対応した。この傾向は今後も拡大し,2007年は出荷されるMP3プレーヤの46%がビデオ再生機能を備えると見込まれる。

 Sean Wargo氏は音楽や映画などコンテンツの販売・配布方法にも大きな変革が訪れると指摘した。CEAの実施した調査によると,一般的なユーザーの41%が「いろいろな場所でDVDを見る」ことに興味を持ち,同33%が「ダウンロードした映画をDVDに保存する」ことに興味があるという(写真4)。「YouTube」や「MySpace」,「iTunes」などの成功により,コンテンツ配布の新しいメカニズムが重要になっていると解説した。