オープンソースのWindows互換ファイル・サーバー・ソフトウエア「Samba」の開発者であるJeremy Allison氏は,12月末にNovellを退社する。オープンソース系情報サイトのGroklawが米国時間12月21日に明らかにしたもの。退社の理由は,同氏がNovellと米Microsoftの特許相互開放などに関する提携に反対しているためだという。

 MicrosoftとNovellは11月2日,LinuxとWindows仮想化や運用管理,オフィス文書などの分野で相互接続性確保を目指した協業体制を発表した。さらに,互いの顧客に対しそれぞれの特許の使用を許諾し,MicrosoftはSUSE Linuxのユーザーに加え,非営利のオープンソース開発者や,OpenSUSE.orgへの貢献者に対しても,特許権を行使しないとしている。これらの提携は,少なくとも2012年まで継続する。

 Allison氏はNovell社内の関係者に送ったメールのなかで,MicrosoftとNovellの提携を「過ちであり,将来Novellの成功に害をおよぼす」と述べた。またこの提携において,同氏の個人的な最大の問題を「ライセンスの文言に違反していないとしても,Sambaのコードが採用しているGPLの意図をないがしろにした。GPLは,コードを受け取るすべてのユーザーを公平に扱おうとしている」と説明した。

 米メディア(CNET News.com)によると,Allison氏は米Googleに入社し,Sambaの開発を続けるという。

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