米Intelは現地時間12月18日,エジプトのナイル川沿いにある人口20万人の町オシームにWiMAXネットワークを構築したと発表した。オシームのWiMAXワイヤレス・インフラは,半径30キロメートルの範囲をカバーする。

 同ネットワークは,Intelがエジプト政府,企業,教育者と協力して構築したもの。2つの公立学校,移動医療センター,地方自治体の施設,電子政府サービスのキオスクを結ぶ。同社は,この移動医療センターと公立学校のラボにパソコンも寄付している。

 そのほかにも,Intelは,遠隔地域における医療診断を円滑にするために,同地域において電子医療記録を利用可能とし,数百km離れた患者と医師が音声とビデオで対話できるようにした。

 電子政府のキオスクや学校に導入するコンピュータは,エジプトのカイロにあるIntelのPlatform Development Centerが設計した。パソコンは,エジプトの暑い気候に耐えるように設計された。キオスクに使われるパソコンは,車のバッテリから電源を取ることができ,簡単に取り外せるダスト・フィルタを装備する。学校向けのパソコンは,コンピュータ初心者向けの構成となっており,アラビア語のソフトウエアを搭載している。

 Intelは,今後エジプト国内の学校に8000台のパソコンを寄付する約束をした。同社は,授業におけるパソコンの活用方法について,2010年までにエジプト国内の教員65万人に対してトレーニングの提供を予定している。現在までに5万4000人の教員がトレーニングを受けているという。また,オンラインでもトレーニング・プログラム「Intel Teach Essentials」を提供している。同社は,同国通信技術省の協力を通じてトレーニング・プログラムの拡大を目指すという。

 今回のネットワーク構築は,Intelが展開するプログラム「World Ahead Program」の一環として行われたもの。同プログラムは,発展途上国における経済発展と生活品質向上の支援を目的としている。Intel会長のCraig Barrett氏は,100日間にかけてアマゾンからアフリカまで世界10カ国の発展途上国を訪問し,同じような技術提供を行ってきた。

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