フィンランドF-Secureは12月15日,スパム(迷惑メール)の最近の傾向を公表した。それによると,流通するスパムの数だけではなく,スパムの総バイト数(ファイル・サイズ)も急増しており,2年前のおよそ15倍になっているという。
F-Secureによると,現在は(1)ユーザーの購買欲が高まるクリスマス・シーズンである,(2)ウイルス(ボット)感染パソコンで構成される,スパムを送信するための“スパム・ネット”が構築されている,(3)スパム送信者は,スパム対策製品(コンテンツ・フィルタ)を回避する技術を導入している――などの理由から,スパムの被害は今までなかったほどに深刻になっているという。
2005年と比較とすると,スパム1通あたりのファイル・サイズが平均2倍になったという。これは,画像ファイルを添付した“画像スパム”が増えているためだと考えられる(関連記事:急増する“画像スパム”)。
送られてくるスパムの数も増えており,典型的な“おとりアドレス”に送られてくるスパムの数は,ここ2年で3倍になったとする。増加率は一定ではなく,昨年から急速に増加している。さらに,1通あたりのサイズ増加と,送られてくる数の増加により,インターネット上を流れるスパムの総バイト数は,ここ2年で15倍以上になっているというデータもあるという。
同社では,今後もスパムの増加傾向は止まらないと予想。この調子で増えていくと,スパムに対する国際的な法律が制定されることになるだろうとみる。