英MessageLabsが米国時間12月14日,2006年のITセキュリティ脅威に関する調査結果を発表した。それによると,スパム・メールは相変わらず増加傾向にあり,全メールの86.2%がスパムだったという。

 スパム増加の要因として,ボットネットの高度化と,攻撃対象を絞る新たな手口の存在を挙げる。MessageLabsは「スパム・メールの80%はボットネットから発信された」とする。

 また,特定の対象を攻撃するトロイの木馬により,産業スパイ行為も増えたという。MessageLabsが2006年に阻止したこの種の攻撃は1日当たり2件で,2005年の1週間当たり1件から大きく増加した。

 フィッシングにおいても,攻撃対象を絞る手口が広まっているという。MessageLabsが阻止した悪意のあるメール全体に占めるフィッシング・メールの割合は,2006年1月は10.6%だったが,12月には68.8%に達した。

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・ウイルス:メール67.9通に1通の割合。2005年の36.2通中1通に比べ大幅減

・フィッシング:274.2通に1通の割合

・スパム:地域別の発生率はイスラエルが73.2%でワースト1。そのほか香港(71.7%),シンガポール(50.7%),オーストラリア(48.1%)などでスパムが急増

 併せて同社は,今後もインスタント・メッセージング(IM)やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を狙う攻撃が増加すると予測する。

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