米IDCは米国時間12月11日,2007年の世界のIT動向に関する分析を明らかにした。それによると,2007年の世界IT予算は6.6%増と穏やかに成長する見込み。ただし,「多くの企業が業績拡大を目指して新市場に参入し,新技術を導入するなど,IT業界はいっそう変革が進む」(同社)。

 2007年における焦点の1つとして,IDCは「グローバル化」を挙げる。2006年にはBRIC(ブラジル,ロシア,インド,中国)市場が急成長した。2007年は,これらの各国は引き続き成長するが,新興アジア諸国,中南米の南部地域,中東,およびNEW(北部/東部/西部)アフリカ諸国が次の成長市場として台頭するとIDCは見る。

 また,多くのITベンダーが中堅中小企業(SMB)市場への取り組みを強化する。その結果,ソフトウエア・ベンダーは製品規模を縮小し,ソフトウエアとサービスを融合した製品(SaaS:Software-as-a-Service)を投入することになる。さらにオンラインや海外のサービス・ベンダーも,新製品を武器にSMB市場に乗り込んでくる。

 そのほか,IDCによる2007年の主な予測分析は以下の通り。

・情報アクセスおよび管理分野の競争激化(Web 2.0ツールの普及が市場を大幅に変える)。
・仮想化とソフトウエア・アプライアンスによりインフラ市場に変化が起きる。
・消費者市場および電気通信市場は競争激化が続く。

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