欧州連合(EU)の独占禁止法当局である欧州委員会(EC)は,英Carphone Warehouse Group(CPW)による,米AOL英国インターネット事業の買収計画を承認した。ECがベルギーで現地時間12月8日に明らかにしたもの。

 CPWは欧州で携帯電話などの販売を手がけ,1500以上の店舗を展開している。固定電話サービスやインターネット接続サービスも提供する。ECは,CPWによる買収が「欧州経済領域(EEA)あるいはその主要地域における競争を著しく妨げるものではない」と判断した。

 AOLは同社の英国におけるインターネット事業を,3億7000万ポンド(約6億8800万ドル)でCPWに売却する。手続きは2006年末までに完了する見込み。これにより,CPWはAOLの英国インターネット接続事業とこれに関連する顧客サービス部門を獲得する。CPWが得るAOLの英国ユーザーは約210万人で,英国で第3位のブロードバンド・サービス・プロバイダとなる。

 一方AOLは,共同ブランドのポータルサイトや各種のサービスおよびコンテンツを英国で提供するほか,オンライン広告の販売を担当する。

 AOLは欧州事業の撤退を進めており,ドイツにおけるインターネット接続事業をイタリアのTelecom Italiaに6億7500万ユーロ(8億7000万ドル)で売却することを9月18日に発表。AOL FranceをフランスのNeuf Cegetelに2億8800万ユーロ(3億6500万ドル)で売却することも,9月21日に発表している。

 米メディア(InfoWorld)によると,AOLは英国とフランス,ドイツの合計で,約590万人のユーザーを抱えていたという。

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