国際的な標準化組織Ecma Internationalは,XMLベースのオフィス・アプリケーション向けファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」をEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認した。Ecmaがスイスで現地時間12月7日に明らかにしたもの。さらにEcmaは,標準化団体ISO/IEC JTC 1にOOXMLを提出することについても承認した。

 OOXMLは,「the 2007 Microsoft Office system」の標準ファイル形式「Microsoft Office Open XML Format」をベースとする仕様。MicrosoftがEcmaに提出するとともに,Open XML Formats Developer Groupというコミュニティを結成し,国際標準規格化に向けた活動を展開している(関連記事)。

 Ecmaの技術委員会45(Ecma TC45)がOOXML仕様を検討し,2006年5月に「Office Open XML 1.3」のドラフト版を公開した。Ecmaは12月7日の総会で投票を行い,同仕様自体とISO/IEC JTC 1への提出を認めた(関連記事)。

 Ecma TC45のメンバーは,Microsoftのほか米Apple Computer,英Barclays Capital,英British Petroleum(BP),大英図書館(British Library),米Essilor International,米Intel,米NextPage,米Novell,ノルウェーStatoil,東芝,米議会図書館(United States Library of Congress)。

 既にカナダのCorelと米NovellがOOXML対応を表明している(関連記事)。

 なおOOXMLに対抗する規格としては,XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が標準仕様として承認した「Open Document Format for Office Applications(OpenDocument/ODF)」が存在する。ISO標準にもなっており,オープン・ソースのオフィス・スイート「OpenOffice.org」や,米Sun Microsystemsの「StarOffice」,KDEプロジェクトの「KOffice」,米IBMの「Workplace」などが採用している。Microsoft Office 2007はODFに未対応(関連記事)。

 米メディア(InfoWorld)によると,Ecmaは20対1の賛成多数でOOXML仕様を承認したが,唯一の反対票を投じたのはIBMだったという。

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